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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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現在読んでいるのはこの本です。



練習問題の続きです。

p.21

6.この旋律には何の和音が合うか、自分で考えて四部合唱を作りましょう。

というわけで、まずは譜例を確認します。

21_6_1.jpg1小節目。「C:Ⅰ」とあるので、C maj.の脈絡の曲で、冒頭のコードはCです。バスは一切記されていません。2小節目以降はメロディだけ。ふむ。

「C:」とあるのでC maj.ってのは外せませんね。『和声学入門』では目下のところⅠ、Ⅳ、Ⅴのコードしか使っていませんので、ここでもこの3つしか使わないんでしょう。よって、使うコードはC, F, G。

メロディはGとAの2音しか使っていませんので、上記3種のコードのトップ・ノートがGないしAとなるような転回形を考えてみます。
  • Ⅰ: C→C, E, G
  • Ⅳ: F/A→C, F, A
  • Ⅴ: G/B: B, D, G
メロディがGの場合、あり得るコードの選択肢は2つあるわけですが、どちらを使うべきでしょうねぇ? 目下読んでいる『和声学入門』にはケーデンス(終止形)の話が出てきていないので、コード進行を確定する規則がありません。が、これまで解いてきた問題や譜例から察するに、Ⅳ→Ⅴという進行を例外として、残りは全て5度での上行ないし下行なんですよね。つまり、Ⅰ→5度上行→Ⅴ→5度下行→Ⅰ→5度下行→Ⅳ→5度上行→Ⅰなんて感じですね。例外は4.に登場したⅠの3回連続ですね。そういえば、指摘し忘れていましたけど、これって平行5度に抵触しますよね? 展開しているにしてもⅠのCにはC-Gという完全5度がありますから、3小節続けばC-Gの完全5度が連続することになります。ただ、以前にも平行5度が模範解答で使われていたので、気にしません。面倒くさい(^◇^;)

5度での上行ないし下行は、詳しく述べると長くなるので簡単に触れておきますが、以前東川清一の本を読んでいたら、規則として出てきた話です(なぜそうなるのかは不明)。恐らく『和声学入門』でも踏襲されているのでしょう。むしろⅣ→Ⅴというのが、逆にとてもいびつに思えてくるのですが、これは東川によると「先取進行」というものです。5度での上行ないし下行と合わせて、次回、引用も交えて詳しく紹介します。(ちなみに、先取進行に登場するⅣを代理コードのⅡで置き換えると、ポピュラーでおなじみのⅡ-Ⅴになります。)

ともかく、今回の問題は『和声学入門』の規則だけでは解けないので(なんでこんな問題の出し方をするんだろう?)、以上を踏まえて次のような方針で解くことにします。
  • メロディがA→F/Aを割り当てる
  • それ以外は、5度での上行ないし下行で極力処理する
先取進行は……適宜考えます。

ともかく、メロディがAの箇所は、自ずとF/Aを割り当てるしかありませんので、ここまでの譜例を作ってしまいましょう。

21_6_2.jpgさて。残った小節をどうしましょうか? 

メロディがGで繋留されている箇所が残っています。問題のレベルでタイで繋がれていなくても、これまで解いてきた限りでは、回答の段階でタイで繋ぐ必要がありそうなので、今のうちに繋いでおきましょう。
21_6_3.jpgメロディがGだと、コードの選択肢はCないしG/Bです。5度の上行ないし下行で考えると、3小節目は2小節目のFから5度上行してCとし、4小節目は3小節目のCから5度上行してGにすればよさげです。1-4小節目でⅠ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴとなるわけです。

ところが、5小節目はメロディか既にコードが確定しており、F/CのⅣなんですよね。すると、4-5小節がⅤ→Ⅳとなってしまうんです。

Ⅳ→Ⅴは、『和声学入門』ではまだ登場していないものの、先取進行として認められているコード進行なのですが、Ⅴ→Ⅳってのはないんですよね、確か。まぁ、オイラ個人の勝手な言い分としては、トライアドを前提としているのにケーデンスを気にしてどーするって感じなんですけどね。Ⅴ7でトライトーンが生じなければ解決進行させる必要もないんですし。それでも一応、まだ『和声学入門』には登場していないとはいえ、禁則ってものはありそうなので、Ⅴ→Ⅳはやっぱりマズイかなぁ?

となると、『和声学入門』が率先して行っている禁則破りに訴えた方がまだ安全! 平行5度もなんのその、同じコードを解説なしで連続させているので、3-4小節目をどちらもⅠのCにしておきましょう。すると、5小節目のⅣには、4小節目からの5度下行で処理できます。

21_6_4.jpg1-2小節でコモン・ノートのCにタイを付け忘れていたので、今のうちに付けておいて、ここまでの話を譜例にまとめるとこんな感じになります。

さて、最後の3小節ですが、メロディはGがずっと続いてます。5小節目がⅣですから、5度での上行・下行ってことで、Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅰとしておきましょう。

21_6_5.jpgというわけで、とりあえずト音部は全て埋まりました。残るはへ音部のバスです。

メロディが2度の範囲なので、バスも大して動きようがないんですが、3-4小節が同じコードなので、とりあえずオクターブだけずらしましょうか? すると、それまでの音域から外れるので、以降の流れは元の音域に戻る格好で。

まずは、低めから初めた場合。

21_6_6.jpg実は、これだと5-6小節のベース・ラインが、他の声部と反進行にならないので、禁則に触れてしまうんですよね。念のため、『和声学入門』から引用しておくと、こういう規則があるわけです。

ベース音(いちばん下の音)と上の音の流れを、反対の方向に進める。(p.14)

ところが、前回扱った5.の模範解答はこの規則を破ってるんですよね(^◇^;) なので、多分この回答でも大丈夫だとは思うんですが、それでも禁則への抵触を避ける為に、バスを高めの音から始めるパターンも考えてみます。

21_6_7.jpgこれなら、一時期はやった言い回しだと「コンプライアンスを果たして」ます。最初の3小節ではバスが目立ちませんが、4小節目から存在感を発揮し始めて、最後はどっしり落ち着くと思いますし。

続いて、別なパターンを考えてみます。なんてことはありません。3小節目をⅠからⅤに変更する訳です。すると、2-3小節が先取進行となります。コードとバスを置き換えてみます。

21_6_8.jpgというわけで、オイラ自身は3種類の回答を用意してみたわけですが、うーん。。。

個人的には2番目と3番目で甲乙付けがたいですね。2番目は3-4小節目がピアノの音色だと間抜けにも聞こえるんですが、だからこそ4小節目のバスが存在感を示すというか。3番目の回答は、オイラの耳にはありふれた感じに聞こえて、面白味に欠けます。

では、模範解答はどうなっているでしょう?

21_6_9.jpgオイラの3番目の回答とほぼ一緒ですが、1小節目のバスがオクターブ下になってます。これだと、1-2小節目のバスと他の声部が並進行となるので禁則に触れるわけですが(^◇^;) まぁ、『和声学入門』の規則破りは今に始まったことじゃないし。(これはオイラの誤解でした。)

しかし、今時の子供って、こんなめちゃくちゃな本で勉強するのかなぁ? 他の教科もこんな書き方されてると、勉強する気なくなるよな、きっと。

それとも、おいらが何か概念を誤解している?? だとすると、アラフォーのオッサンが読んで誤解するんだから、小学5、6年以上が読んだらどうなるんだろ? 著者や編集さんには、もちっと「頑張って」欲しいです(「頑張る」という言葉が嫌いなオイラが「頑張って」と書くのは、よほどのことなのだ!)。


【後日追記】
「バスと他の声部との反進行」について、オイラ自身不安になってきたので、復習してみます。扱った記事はこちらです。

オイラに見落としがありました。この規則が登場する脈絡が限定されていたのです(『和声学入門』p.14)。

B、お互いの和音に共通音が無いとき。
1. なるべく近くへ流れるように。(平行八度や平行五度が出来ないように)
2. ベース音(いちばん下の音)と上の音の流れを、反対の方向に進める。
3. 同じ方向へ進んでも、平行八度、五度が出来なければかまいません。

コモン・ノートがない場合、なのですね。

今回解いた問題の1-2小節については、テノールがコモン・ノートのCとなるので、「バスと他の声部の反進行」の規則に従う必要がないですね。

ですから、模範解答は規則に従ってますね。


今回はここまで。
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HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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