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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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現在読んでいるのはこの本です。



練習問題の続きです。

p.21

5.上の旋律に下の和音記号によって、四部合唱を作りましょう。

……この問題文、日本語としてどーなんだろ?? オイラの感覚が変なのかなぁ?

英語で習う「受動態」の影響か、「によって」を見ると〈意味上の主語〉を連想するんですよね。例えば、「AによってBされる」と言う場合、Aが意味上の主語ってヤツです。この問題、和音記号が解いてくれるんでしょうか?? ともかく、この文で言われるべきことは、「ソプラノがメロディになっているので、下に記された和音記号に適うコードを、メロディに合わせてヴォイシングすることによって、四部合唱に仕上げなさい」ってことだよな。

まぁ、中川翔子が「ギザかわゆす」とか変な言い回しをするのに比べれば、この程度はまともな方なんだろうか??

ともかく、問題の譜例を確認します。

21_5_1.jpgと言うわけで、これが譜例です。1小節目にヴォイシングが完了したコードとバスが記されていますが、2小節以降はメロディのみです。

これまでの「出題傾向」から「対策」を考えてみると(これって〈パズル解き〉の態度ではあっても「和声学」の態度とは言えない気がしますが)
  • 目下、バスはルート以外選択できない(他のルールが与えられていないので)→せいぜいオクターブずらす程度なので、どのオクターブに配置するかを確定するにも、上声部の確定が先決。
  • 上声部におけるコードのヴォイシングを確定する要素は次の二つ。
    • 1小節目に掲げられているコードのヴォイシング
    • 2小節目以降に提示されているメロディ
  • メロディに、同じ音高の音がタイで連結されずに提示されていても、構わずタイで連結して回答する。
と言うわけで、例によってト音部の上声部を先に見ていきます。

1小節目。ⅠですからCですが、ト音部の上声部だけ見ればC/Gの転回形となっており、メロディは3rdのEが担っています。

では、解いていきます。

ザッと見て、メロディはD, E, Fの3音しか使われていません。他方、コードはⅠ、Ⅳ、ⅤがC maj.の脈絡で使われています。コード・ノートとメロディとなる音を確認しておきます。
  • Ⅰ: C: C E G
  • Ⅳ: F: F A C
  • Ⅴ: G: G B D
メロディは全てトップ・ノート、声部としてはソプラノが担っているので、メロディとなる音がトップ・ノートとなる転回形を、今のうちに確定しておきましょう。すると、各和音記号の箇所において使える転回形は以下の通りです(ただし、ここで言う「転回形」はト音部のみに注目したもので、へ音部のバスは考慮に入れていません!)
  • Ⅰ: C/G→G C E
  • Ⅳ: F/A→A C F
  • Ⅴ: G→G B D
こうして見ると、コモン・ノートを担う声部も確定できますね。こうなります。
  • ⅠとⅣ: Cをアルトで
  • ⅠとⅤ: Gをテノール(ト音譜表内では最低音)で
ⅣとⅤはコモン・ノートがありませんが、上で確認した転回形を使えばⅣ→Ⅴなら内声(テノールとアルト)は順次下行、よって逆のⅤ→Ⅳなら内声は順次上行となり、滑らかな連結が可能ですね。この例に当てはまるのは2-3小節のⅣ→Ⅴの一箇所だけです。

以上から、ト音部のみをひとまず回答してしまうと、こうなります。

21_5_1.jpgでは、このコード・ヴォイシングを踏まえてバスをどうするか、考えてみましょう。そもそもこれまで『和声学入門』で与えられてきた規則では、「ベース音は、その和音の根音を用い、大きく離れたところへ進んでよい」(p.15)とされた上で、コモン・ノートは同じ音高で連結し、それ以外の音もなるべく近くへ滑らかに連結せよとされています。メロディはD, E, Fの3音、インターバルで言っても3度以内に収まる音で賄われているのですから、バスだけ派手に動かそうというのも無理な話です。それでも、現時点ではバスはコードのルートしか使えませんし、使われているコードはⅠ、Ⅳ、Ⅴの3種類のみ。当然、バスに使えるのはそれらのルート、よって3音だけです。Ⅳ←→Ⅴの動きこそ順次上行/下行ですが、それ以外は比較的大きく動かせそうです。また、Ⅳ←→Ⅴもオクターブずらせば、それなりに動かすことは出来ます。なお、これまでに登場しているベース・ライン(バス声部のライン)を作る規則は、こういうものです。

ベース音(いちばん下の音)と上の音の流れを、反対の方向に進める。(p.14)

こうしたことを踏まえて、こんなバスを考えてみました。

21_5_3.jpg3小節目のGを1オクターブ上げることも考えたんですが、「ベースとしての落ち着き」とでも言うのかなぁ? そう言ったことを考えると、Gを上げたものは「耳で判断する限り」、オイラ個人としては好きになれませんでしたので、最終的にこうなりました。

上で引用した、「バスと上声部は反進行させる」という規則に照らすと、4小節目のCはオクターブ下げるべきなんだと思います。テノールは繋留されてはいますが他の声部は上行しているからです。ですが、6弦ベースなんかだとそういうCを奏でるのもアリなんですが(オイラの聴感では、このCを下げた版が最も好ましく聞こえる)、この問題は「四部合唱」を前提にしているので、そんな低い音は人間には歌えないと判断し(もしかして歌える??)、Cは下げずにおきました。

仮にCを下げた場合、4→5小節のバスが、上声部と並進行になってしまうっていう問題もあります。反進行にしようと5小節目のFを下げると、4小節目のCどころではなくなります(^◇^;)

というわけで、4小節目のCはこの位置です。

だったら、やっぱり3小節目のGはオクターブ上げるべきなんでしょうけど(そうすれば全ての規則を遵守することになる)、オイラの聴感に照らすと、イマイチ好きになれないんですよねぇ。。。

ともかく、規則と人間の声が出せそうな音域、更にはオイラの好みに照らして、上をオイラの回答としておきます。

が、またも模範解答は違います。こうなってます。

21_5_4.jpg驚くべきは2小節目のバス。上で引用した反進行の規則を破ってます。どういう理由で規則を破ってこの位置にバスを据えたんでしょうか? 著者の好み?? うーん。。。

やっぱり、この『和声学入門』は回答について解説がないのが致命的です。規則の拘束力がどの程度なのかもよく分からないですしね。


今回はここまで。
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べぇす
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男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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