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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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ほんと、のんびりなのでなかなか先に進まないんですが
こちらを読んでいます


Structural Functions of Harmony

1ページ目の譜例すらどうもピンと来なかったものもあるのですが
要点自体はごく単純です
コードの推移が二種類に分類されて
  • progression: コードの推移によって機能が交代するもの
  • succession: コードが推移しても機能が交代せず、手前の機能が引き継がれるもの
ってだけの話です

ただ、successionを例示する譜例が
どうもピンと来なかったわけです

これは、オイラがポピュラーのコード理論を
まともに理解していないだけなのかもしれません

ただ、オイラが見た限りではポピュラーのコード理論では
巧く解釈出来ないようなものも示されているので
同じ「機能和声」でも、もしかすると
クラシックとポピュラーでは理解のされ方とか
説明の仕方などに違いがあるのかも?? なんて気も
しないじゃないです

ともかく、successionの話が最初になされたので
続きはprogressionの話、と言うことにななるようです

 で、最初の段落で言われていることは、要は
  • progressionによって調性が確定する
と言うことだと思うんですが
これはポピュラーでも聞く話、のような気がします
要は、機能が異なるコードが推移すると
コード同士のコモン・ノートが少ないので
スケールを構成する音が出そろい、確定する
という話ですね

話を単純にするためにメジャー・スケールで
お手盛りに考えるとトニックのド
サブドミナントのファ、ドミナントのソでトライアドを作ると

d m s
f l d
s t r

となって、スケール・ノートの7音が出そろいます

ただ、シェーンベルクが言ってることはどうもそういうことではないみたい
では、progressionと調性確定とはどういう関係が??

という訳でよくよく読むと、実は英語のレベルで分からない言い回しをしている
なので、この際引用します


p.2
The harmony of popular music often consists only of a mere interchange of tonic and dominant (Ex. 2), in higher forms concluded by a cadence.  Though a mere interchange is primitive, it still has the function of expressing a tonality.
Ex. 2の譜例は、検討する意味があるのかどうか自体
実は大いに疑問なのですが
今は英文

The harmony of popular music often consists only of a mere interchangeof tonic and dominant (Ex. 2)



ポピュラー音楽の和声が成り立つ際に、トニック・コードとドミナント・コードの交代がまれな場合がよくある。 

うん、これはよく分かる英文
ところが、続きがピンとこない

in higher forms concluded by a cadence.

見た目は分詞構文なので従属節代わり
省略された意味上の主語は主節に一致
なんていう英文解釈の基本を踏襲して補えば

the harmony in higher forms concluded by a cadence.

だろうから、

和声はhigher formsでケーデンスによって解決する。

となるわけだが……

higher formってなに??

和声のformがhigherとかlowerに分類されるなんて話
聞いたことがないんだが

とりあえずこのhigher formsってのを留保して先に進むにしても
ここで問題とされているのがトニックとドミナントだけ、というのも
気になる
ただ、この二つにだけシェーンベルクが注目しているなら
もしかするとsuccessionとprogressionの区別においても
サブドミナントは無視しているか、登場しても
手前のコードを引き継いでいるだけで
サブドミナント固有の機能を認めていない
と言うことになるのかも知れない

ともかく、サブドミナントへの言及がないことは
(もちろん飽くまでコードの「機能」としては、だけど)
注意しておいて良い気がする

ともかく、higher formsの意味合いは分からないけど
分詞構文であることを踏まえると、この冒頭の文は
恐らくこんな意味合いだと思う

ポピュラー音楽の和声が成り立つ際に、トニック・コードとドミナント・コードの交代がまれな場合がよくある。 それでも、higher formsにおける和声が解決する際は、ケーデンスに従う。

つまり、progression自体がそうそう起こらないポピュラーでも
解決、エンディングではケーデンスに従うので
エンディングの部分ではきっちりprogressionが生じる
とでもいう話なんだと思う。

次の文

Though a mere interchange is primitive, it still has the function of expressing a tonality.

英文としては全く疑問の余地がない

コードの機能が滅多に交代しない和声は原始的だ。そういう原始的な和声にも、調性を表現する機能がある。

これが大問題
上記のように、トライアドで考えても
3機能のトライアドが出てこないと
スケールが確定しないんだよな

そうだなぁ……
やっぱりメジャー・スケールの階名で考えると
……とお手盛りで処理しているにもかかわらず
4声コードで考えて

トニック: d m s  t
ドミナント: s t r f

となるだけで、ラの音が埋まらないわけですよ
つまり、第6音の長短がはっきりしないので
実はこれってホントにメジャー・スケールだったの??
という疑問の余地を残してしまうわけです
なので、トニックとドミナントの交代が
しかもまれにしか見られない原始的な和声に
調性を表現する機能なんてあるはずがない!
というのがオイラの素朴な考えなのですが
なのにある、というのがシェーンベルクの主張なので
端的に

なんのこっちゃ??

となってしまうわけです

……って、オイラの言ってること、分かりますかね?

随分昔に東川清一の本にあった記述を見て
「おおお」とビックリしたんですが
ペンタトニック・スケールってのがあって
これを「後付」で説明すれば
メジャー・スケールの第4音と第7音を取り除いたものになっているので
俗に「ヨナ抜き」と言うらしいんですが
果たしてペンタトニック・スケールがメジャー・スケールの一部を除いたもの
なんて形で調性が確定していると考えていいのか??
いけないんじゃないか?? という話だったとおいらは理解してます
誤解だったらゴメンね

つまり、ペンタトニックをヨナ抜きと捉えるってことは
こう言うことです

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
             
          omit           omit

ただ、並べ替えれば

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
             
s   l   t d   r   m f  
        omit?           omit?  

こんな具合にミクソリディアンの一部省略とも考えられるし
同様に

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
             
f   s   l   t d   r   m
            omit?         omit?

リディアンの省略とも考えられる訳です

これでは調性を確定できない

このため、コードの交代が少ない場合も同じことで
調性を確定するために十分な音が定まらなければ
調性を表現することなんて出来ないのではないか?
であれば、コードの機能がそんなに交代しない和声は
調性を表現するには至らないのではないか?
こんな疑問が出てくるわけです
ですから、譜例を示して、「これはⅠ、これはⅤ」と言われれば
そりゃそうなってるんでしょうけど、そんなの
ペンタトニックをヨナ抜きと言うのと同じで
そんなの調性を確定するには不十分ってことに変わりはありません

シェーンベルクが示しているEx. 2の譜例も
その程度のものでしかなくて、どのように調性が表現されているのかが
サッパリ分からないんですよね

となると、シェーンベルクが言う「調性」とはなにか??
ということも問題になりますが
この辺りは、やはり譜例を検討して、ということにして
今回はここまで


うーん、しかし、こうなってくると
やっぱり古くても、ポピュラーに馴染んだものには
音名その他を読み替える必要があるにしても
やっぱり邦訳を読んだ方が中身を検討できるんだろうなぁ
邦訳が絶版ってのは、やっぱり厳しいね
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HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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