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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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ちょいと間が空いてしまった

自宅デスクトップのUbuntu10.10がおかしくなったため
再インストールに備えてバックアップすべく購入した Ubuntuを再インストールしたらFirefoxがおかしくなるなど
色々バタバタしていたもんで……

今読んでるのはこちら


Structural Functions of Harmony

実はまだ本文1ページ目の譜例を確認している段階なのだが
要はコード自体は推移していても
successionとprogressionは違う、という話

恐らくsuccessionはシェーンベルクの独自用語で
コード自体は推移しても機能が変わらなければsuccession
変わる場合はprogression、という用語の説明なのだが
譜例はsuccessionの具体例を示したもので
前回は6つある譜例のうち2つを確認したわけです

今回はその続き

その前に、前回取り上げた二つの譜例について
どちらもワーグナーのものだったのですが
どの曲から採られたものなのかについて
イマイチ調べ切れていなかったので……
って、おいらはワーグナーの曲ってまともに聞いたこと無いな(^^ゞ

ともかく、前回確認した譜例は"Lohengrin"からのものなのですが
日本語では『ローエングリン』と言うようです

今回確認する譜例は3つあるのですが
やはりワーグナーのもので"Götterdämmerung"
日本語だと『神々の黄昏』だそうです

1つ目

1c.jpg

同じ小節が2回繰り返されています
元の譜例には拍子記号が付いていませんでしたが
譜割から明らかなのでこちらで書き込みました

2部音符のコードは
コード・ノートがD Ab Cb(=B) GbなのでAbm7(b5)/D
4部音符のコードは
コード・ノートがEb A C FなのでF7/Eb

調号がないのでKey Cなんでしょうけど
C maj.かA min.かはこれだけではなんとも……
元の曲を知っている人には分かるんでしょうけどね(^^ゞ
いずれにせよ、Key Cを前提に考えるなら
変化記号がフラットになっていることから察するに
C maj.なんでしょうね
A min.であれば変種由来のG#やF#が登場するでしょうから
だとすると、ハーモニック・メジャーやメロディック・メジャーから
AbやBbを取り出すことが出来るでしょうが
譜例にはBbが見られませんね
ドミナントのGが半音下がったGbとなるのはなぜだろう??
Ebは同主短調からの借用かなぁ??

ただ、C maj.においてトニックのCが半音下がってCbとなることって
あるの??
耳で聞く限りでは全く違和感ないものの
理屈ではどう説明されるのかな?

とりあえずコード・クォリティ「だけ」考えれば
転回形になっているとはいえ、m7(b5)と7なので
ドミナント機能が連続して続いている
といっていいの???

Abm7(b5)/Dにおいては、DとAbが減5度を成しているし
F7/Ebにおいては、EbとAが増4度を成している
DからEbへ、AbからAへそれぞれ声部進行しているものの
当然解決進行ではないわけですが
トライトーンを成す音が変わるだけでトライトーン自体は継続している
うーん、ここがまさにsuccessionってこと?

2つ目

1d.jpg

 同じ小節が繰り返されていますね
へ音部には1小節の間鳴りっ放しのBとDがありますが
オクターブ上のト音部にも各コードでBとDが含まれるので
この2音はコモン・ノート、ということになりますね
その上で先に声部進行を確認しておくと
ト音部ではトップ・ノートがAbからGへ半音下行
へ音部にもオクターブ下で AbからGへ半音 下行してます
バスはFからGへ上行してますね

すると、4部音符の後ろのコードは
へ音部とト音部で都合3オクターブでGを重ねていて
へ音部で鳴りっ放しの音と、ト音部で繰り替えされる
BとDが含まれていることから
コードとしてはGメジャー・トライアド、ということになります

手前の2部音符のコードはどうか?
バスはF、トップ・ノートはAbですが
向きの違いはあれ、次のコードではGに進行する音です
コモン・ノートのBとDも合わせるとFdim7となりますが
後ろのコードのルートがGであることを考えると
むしろAbをルートと考えてAbdim7/Fと考えた方がいいのかな?

へ音部について
バスがFからGへ上行することによって
Fが、コモン・ノートのうちBと成していた増4度が
長3度に「解決」している、と見てよいでしょうか?

ト音部について
トップ・ノートがAbからGへ下行することによって
Abが、コモン・ノートのうちDと成していた、Dから数えた増4度が
やはり 長3度に「解決」している、と見てよいでしょうか?

とすると、コードだけ見ると
トライトーンを含むドミナント機能を果たすコードが
トニック機能を果たすコードに「進行」していると解釈可能で
文句なしのprogressionではないのか?? と思えます

そこで、他の情報を確認してみます
譜例を見ると、音符の下に文字列がありますが
どういう意味なんでしょうね?

以前確認したように、ドイツ語の慣習的な語法が用いられているので
調性について、大文字がメジャー、小文字がマイナーを意味します
すると、「c:」とあるのはC min.で分析する、ということでしょうか?
ところが、調号は付いてないんですよね……
それでも「c:」とあるからには、Abは調性内の音として位置づけ可能ですね
C min.だと本来BはBbのはずですが、ハーモニックの変種としてソ#に変化すれば
なるほどBbはBになります

そう考えると、二つのコードのどちらにも導音Bが含まれていることになり
どちらにもトニックのCが含まれていない訳ですから
少なくともどちらもトニック・コードではあり得ない、のかな?
他方、どちらもトニックへの解決を促される導音を含むからには
ドミナントであるGを含むかどうかに関わらず機能はドミナント
と言うことになるんでしょうか?

手前のコードのコード・クォリティはdim7ですから
コード・ノートのどれがルートでも同じコード・クォリティなので
Bdim7と考えることも可能なのですが、これはBの3度下に当たる
Gが真のルートであるG7(b9)から、ルートを省略した
とも考えられる訳です

あるいは、Bdim7のAbを単純に半音下のGに置き換えれば
G7になっちゃうんですよね
G7における、ポピュラーの意味でのドミナント機能は
トライトーンを構成するBとFによって担われるので
この2音を含んでいればルートがAbになってもドミナント・コードです

いずれの解釈にせよ、「c:V」はC min.におけるドミナント代理
ということになりそうです
「V」は当然ドミナントですが、ポピュラーの意味でドミナント機能を担う
トライトーンを構成する2音のうちFを含んでないんですよね
まぁ、ルートがドミナントだと、コード・クォリティがドミナントじゃなくても
ドミナントなんですかね?

……って、ややこしい言葉遣いをしてしまいましたが
オイラが調べた限りでは
ポピュラーで使われるトニック、サブドミナント、ドミナントとは
コードの機能名なのに対して
本来これらの用語はスケールにおけるシングル・ノートの名前で
トニックは文字通り主音、ドミナントは主音から上行で数えた
5度に当たる属音、サブドミナントは主音から下行で数えた
5度に当たる下属音をそれぞれ指します
この辺の話を端折って理屈抜きで慣用で語法をゴリ押しするのが
ポピュラーでは当たり前で(なので理論書にもまともな定義が欠落してたり)
例えば「トライトーン」にしても本来「三全音」という音程名で
ドミナント機能を果たすコードの特徴を説明するために使われていたはずが
むしろドミナント・コードの成立要件、定義になってしまったりします

少なくとも、属音(シングル・ノートとしてのドミナント)が
根音(ルート)の、三度堆積で成立するコードなら
属和音(ドミナント・コード)と言えるはずなのですが
上記のようにポピュラーではトライトーンがコードに含まれることが
むしろドミナント・コードの定義になってしまっていて
このトライトーンの響きが気持ち悪いことが安定したトニックへ進行する
原動力となる、それがドミナント・モーションだ、とまぁ
確かこんな説明をする訳です
ただ、ドミナントに三度堆積で音を重ねるにしても
7thを乗せずにトライアドで済ませれば、単なるメジャー・トライアド
メジャー・スケールであればドミナント・モーションで進行する先となる
トニック・コードはメジャー・トライアドですからね
ポピュラーの意味ではルートがドミナントだったとしても
コード・ノートでトライトーンが構成されなければ
ドミナント・コードとは呼ばないんじゃないかなぁ?
こういう点について、オイラが読んだことのあるポピュラーの楽理本は
スッキリ解説してないんですよね

……ともかく、譜例の下にある文字列は恐らく
C min.において、ドミナント代理コードからドミナントへ
という意味なんだろうと思います

だとすると、コードの機能としてはドミナントが継続しており
succession、ということになるんだろうと思います


『神々の黄昏』からの譜例がまだ一つ残ってますが
長くなったので、今回はここまで
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べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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