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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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東川誠一『旋法論』をなかなか読み進められない

いや、かなりおもしろい内容なんですが
譜例を見ても分からないんですよね

ソルフェージュができないので
譜例で示されていることを読んでもピンとこない
当然それでは議論に付いていけないので
譜例を譜面エディタに打ち込んでプレイバックを聞いて
「あ、なるほど、そういうことね」と納得したい

ところが、これがやたら手間取るのですよ

やるべき作業自体はなんてことはない
譜例を譜面エディタに打ち込んでプレイバックを聞く
たったそれだけのことなのですが
Winを使っている場合はFinaleが使えるので良いとして
Ubuntuを使っているとFinaleが使えない
ただ、趣味の作編曲ではないんだし
Finaleを使う必要は必ずしもない

Ubuntuにも譜面エディタはあって
MuseScoreってのがなかなかよい
だったらそれを使えばいいじゃないか、と言われそうだが
実はかなり厄介なのだ

『旋法論』が扱っているのは文字通り「旋法」
教会旋法となると、マイルス・デイヴィス以降のモードと違って
音域が基本的に1オクターブに固定されていて
イオニアンはまだ確立していないため
D-Dのドリアン
E-Eのフリジアン
F-Fのリディアン
G-Gのミクソリディアン
これらが正格で、それぞれに4度下から始まる変格もある
なんていうやつで
単声部だとグレゴリオ聖歌
それが多声部になることで次第に
今日の長調と短調が確立してくる、という
ホントに古い音楽を題材とするのだな

そんな話、趣味でポピュラーやる上で役に立つのか??
なんて言われてしまいそうだが、この議論を追うことで
導音やドミナント進行の真髄みたいなものが見えてきて
機能和声でいう「機能」がどのように確立していくのか??
なんてことにも関わってきそうだし
他方、かつてのモードはペンタトニックにも近いものがあり
半音階的な進行を忌避する傾向があったし
よって導音からトニックへというドミナント・モーションが
むしろかつてはある種の禁則だったのが
解決としての説得力から旋律的な発想よりも
和声的な発想へと力点がシフトして機能和声が成立
他方、そこからの離脱としてワーグナーのような立場が出てきて……
という形で音楽史を概観することもできる、なんて話もあって
実におもしろい!

となると、それこそ機能和声から離脱するかのように
モードが導入されたのなら、思いっきり先祖返りして
教会旋法における旋律重視のアプローチから
機能和声の和声重視のアプローチが生まれる場面を確認するのは
きっとポピュラーの人にも有益な話に違いない!

……ところが
グレゴリオ聖歌のような当時の譜例は、拍子記号がないし
1小節における拍数も一定しないので
譜面エディタでそういう譜面を打ち込むには結構な技が必要で
Finaleならまだそういう譜面を作る方法が分かったのだが
(それもヘルプを検索しまくって試行錯誤した結果だし
あいにく一部符頭は依然入力方法が分からない)
MuseScoreではそういう入力が今のところオイラにはできない

なので、『旋法論』を読もうとするときは
何となく気分で「続きでも読むか」という軽い態度では無理
しっかり「よし、今から読むぞ」と決意して
Windowsを立ち上げて、Finaleを起動して……
といった作業が必要になるのだな

さらに困ったことに、ノートが実にとり辛い
OOoのWriter辺りにFinaleを埋め込みオブジェクトにできると
まだ良いのだが
そういうことができないので
Finaleの五線の間にページ貼り付けのテキスト領域を設定して……
なんてやると、結構それはそれで面倒

というわけで、提案なのだが
せっかくMusicXMLという企画もあるんだし
最低限のサウンド・フォント(テーブルシンセ、とも言うんだっけ?)なら
今ではフリーのものもあるので
GoogleあたりがGoogleドキュメントでMusicXMLのエディタも組み込んで
クリッカブルの譜例(当然クリックすればプレイバックが鳴る)を作成可能
何ならちょっとしたオリジナル着メロくらいは作れるくらいの機能を取り込んで
それこそMusicXMLとしてエクスポートすれば
それこそFinaleなどの譜面エディタでさらに本格的な編集も可能
ただ、Googleドキュメントのレベルではそこまでいかない
ごく簡単な譜例を作成できて、ブログやサイトにアップできる
……なんて機能を作ってくれないかなぁ?

そうすれば、OSが何だってブラウザから作業できるし
チラと思いついたフレーズをすぐメモできるし
上記のように、それを膨らませて一曲ものにするなら
着メロのような短いものならGoogleドキュメントでも仕上げられるし
もっと本格的に作り込みたければSMFやなんかでもエクスポートすれば
DTMでも処理できるだろうし
元々はXMLなんだろうから、ブログやサイトに譜例を示すこともできるハズ
こうなれば譜例込みのノートも簡単に作れるし
もしかするとそうやって作ったノートをすぐに
ブログの記事に転用することもできるかもしれない

ところが、現実にはそんな状態にはないので
なかなか『旋法論』を読み進められないのだな

例えば、今でこそドミナントといえば
(ポピュラーの多くの人はなぜかコードのことと即断するようだが)
トニック、つまり主音から上行で5度に当たる音のことだ
ところが、教会旋法の時代におけるドミナントとは
特に変格の旋法では、ドミナントが主音(というか、軸音?)から
上行で5度とは限らなかったようなのだ

となると、そもそも「ドミナント」ってなんなんだ??
むしろ、主音なり軸音なんてものを想定する必要があるのか??

なんて疑問すら出てくるのだが
まぁ、少なくとも昔の人は想定しちゃったんだし
その上で成り立っている楽理に基づいた用語を用いて
音楽に関する話が可能になってるんだから
差し当たり従っておくしかないのだが
(逆らうならそれなりの理論を作って、有効性が認められないとなぁ)
少なくとも「ドミナント」の語義は旋律重視のパラダイムと
和声重視のパラダイムとでは異なっていたことになる訳だから
もしかすると今日通用している用語だって数百年経つと
意味が変わっているかもしれない

『旋法論』を読んでいるとそういうことも考えたりして
ホントにおもしろいのだが
結局、なかなか読み進められないのは
オイラにソルフェージュができないから、でしかない
かといって、今からソルフェージュ、やるかぁ??
個人的には、GoogleドキュメントがMusicXMLをサポートすることで
プロプライエタリな譜面エディタの低価格化にも繋がって欲しい
なんて思っていたりする

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HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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