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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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譜面を読みながらチマチマ考えている
Don Grolnick "Pools"だが
テンションてんこ盛りってだけではなく
なんか凄いことになっているようだ

    
The Don Grolnick Collection
 Hearts & Numbers

譜面はリードシートなので
コード・ネームを見てどういうコードなのかを
考えなければならない
ピアノが出来る人だったらもしかすると
反射的に弾けるのかも知れないが
オイラはベースしか弾けないので
オイラが「音程物差し」と呼んでいる表をまず作り
そいつでコード・ノートを確認してFinaleに打ち込む
なんて作業をしないと耳で確認できないのだな

で、何度か取り上げているが
"Pools"最初の出だしに使われているコードが
A13(b5b9)というもので
「13」とある時点でスケール・ノート全部で
コードが構成されていることが分かるのだが
改めて確認するとなかなか凄いコードなのですよ

                     
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
A13(b9b5) A Bb     C# D Eb     F# G  
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  
                     

C#, D, Ebと半音で3音並ぶのも凄いんですが
AとEbがトライトーンを構成すると同時に
C#とGもトライトーンを構成するので
当然ドミナント・モーションを起こす原動力を
発揮することになりそうなのですが
いわゆるトニック・コードに解決進行していると
見なしていいのかどうかが
ちょいとよく分からないんですよね

で、この後に続くコードが解釈に困る
Am9susって奴なのですが、先日書いたように
解釈に困るんですよね
ですが、単純に3rdと4thが同居する、と考えると
どうやらコード・ノートはこうなりそうです

  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Am9sus A   B C   D   E     G  
Am11   b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

なので、m7, 9, 11とテンションが揃うことになり
Am11と解釈出来るんですが
だったら素直にそう書いた方が分かりやすいだけに
わざわざAm9susと書くからには何か意図があるのでは?
と勘ぐりたくもなり、結局未だに確信がないのですが
とりあえずこの解釈を作業仮説として先に進んでみます

どちらもバスがAとコモン・ノートになっているので
声部進行としては繋留になってますね
Aとトライトーンを成すEbは、どうやら半音上がって
Eに解決することでdim5がP5となる、と考えていいのかな?
同様に、バスから見たm7のGも繋留されていて
これとトライトーンを成すC#は半音下がってCとなっている

ふむ

差し当たり、この解釈が正しいと仮定しておくと
13(b5b9)というコード・クォリティはドミナント機能を果たしている
ということになるかな?

冒頭でいきなり不協和な響きが登場すると
すんなり解決する
面白い演出です

ただ、同じコード・クォリティが別の箇所にも登場して
これがパッと聴いた感じかなりひどい響きで
音源を聞く限りではそんな変な音にはなっていないのでは??
という気がして、まさか誤植?? なんてことも疑ってるのですが
その箇所というのは

C13(b5b9) → Fm9sus

となってるんですよね
上で示した解釈を踏襲すれば
Fm9susはFm11と言い換えられることになる
それを踏まえてコード・ノートを比較するとこうなります

                     
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
C13(b9b5) C Db     E F Gb     A Bb  
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  
                     
                         
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Fm9sus F   G Ab   Bb   C     Eb
Fm11   b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

今回はバスが変わっているものの
5度下行なので、ルート・モーション自体は強進行、だっけ?
なので安定した進行のハズなんだが
差し当たりFinaleに打ち込んでプレイバックを聞くと
かなり濁った響きに聞こえて「えええ??」と……
ただ、曲を聴く限りではそういう違和感がないので
ヴォイシングに秘訣があるのか??

という訳で、五線紙に書き起こしてみます

dc2bcb2a.jpg

ルート・モーションはC→Fですが
実はメロディがA→Gと推移しています

さて、ヴォイシングですが、大原則は
  • メロディとバスは大胆に動いても良い
  • 他の音は滑らかに連結
  • コモン・ノートは同じ高さで
だよね? 確か
なので、そういったことに配慮していじってみます

まず、二つのコードのコモン・ノートはCとBbなので
これらの音高は揃えることになるでしょうね
他方、Cは一方のバスなので固定せざるを得ない
動かすとしたらBbですが、下に転回すると
Cよりも低くなるので、転回するなら上、ですが
メロディのA→Gよりも高い位置に来てしまうので
どちらも動かせないですね

かといって、このままでは低いところに音が密集して
いかにもバランスが悪そうなので
特にFm11のコード・ノートは出来るものは上に転回したいところ

で、こんな具合に考えてみたんですが
これってキーボードで弾く上でどーなんでしょう???

b72e5be1.jpg
Fm11の箇所ではメロディがGなので
へ音部の行にあるGは省略
そこに空間というか、ゆとりが出来るので
Abを上に転回する
また、m7のEbも上に転回

すると、C13(b5b9)のDbは上行、Fは下行してEbに進行
同様にGbはAbに上行進行、EはCに下行進行
ルート・モーションでバスはCからFへ進行、かな?

では、トライトーンはどうなったか?
CとGbで構成されていた分は、GbがAbに進行したので
トライトーンは短6度になって解決
EとBbで構成されていた分も、EがCに進行したので
トライトーンは短7度になって解決
聴感上もかなりスッキリした響きに聞こえるし

ただ、なぜだろう?
同じコード・クォリティなのに
冒頭のA13(b5b9)にはそんなに違和感を覚えないのに
C13(b5b9)にはかなりの違和感を覚えます
ところが、元の音源を聞く限りでは全く問題なさげ

この違和感はなんなんだろう???

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HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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