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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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今回は、オルタード・スケール周辺の話をまとめようと思います。まだよく分からない点があるのですが、とりあえずここで区切りを付けて、先に進みたいと思います。そのためにも、オルタード・スケールに関することは、ここでまとめておきたいと思います。

オルタード・スケール
  • メジャー・スケールのドミナントであるソをルートとしたドミナント・コードが指定されている箇所において、裏ドミナントの響きを取り込むべく使われる。
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
表コードの保持する音 s       t    
    f  
裏のミクソリディアン rb   mb   f sb   lb   tb db(=t)  
オルタード・スケール s lb   tb db(=t)   rb
mb   f  
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

  • 構成されたスケールのテンション・ノートはマイナー・スケールと親和的でもある。
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
hm 5th below m f     s# l   t d   r  
alt. scale          
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

というわけで、露骨なⅡ-Ⅴ-Ⅰでスケール・ノートをなぞってみます。MIDIを流せるといいんですけど、ブログの機能だと画像が精一杯なので……。どこかにサーバーを借りてまでMIDIファイルをアップしてリンクを貼るのも厄介なので(^^ゞ 横着で済みません≦(._.)≧

まず、メジャー・スケールにおけるオルタード・スケールの譜例。Key C、つまりKey of C maj.です。

alt_maj.jpg

画像、小さいですが、クリックすると別窓で大きなものが表示されます。スケールに合わせてG7の第5音を半音下げるべきかどうか悩んだんですけど、聞いてみた感じ、どっちでもそんなに変わりがないような気がするんですよね(^^ゞ そんなわけで、この譜例では第5音を変えていないんですが、これって楽理上どうなんでしょうね??

続きまして、マイナー・スケールにおけるオルタード・スケールの譜例。Key of C min.、つまりKey Ebです。

alt_min.jpg


蛇足: Keyという概念について

ポピュラーでは、オイラが見かけた限りではありますが、英語でKey of C maj.のように、ofに続けてスケール名が来ます。稀に前置詞がonの場合もあるようですが、オイラが見かけた限りでは殆どがofでした。前置詞は非常に多義的ですからアレですが、Key of C maj.を直訳すれば、「Cメジャー・スケールのキー」となります。なんなら、「Cメジャー・スケールにおけるキー」とも訳せます。変な話、「神の見えざる手」と言うとき、「見えざる手」は「神」のものではありますが、「神」そのものではありません。同様に、スケールとキーは別物です。

ところが、日本のポピュラー系音楽雑誌に掲載される譜例では、時折「Key = C maj.」なんて書き方も見られます。オイラには、これは誤解を招く書き方だと思えます。キーとスケールを同一視する訳ですから。

では、キーとはそもそも何なのか? これについて、オイラは東川清一の諸著作を読んでようやく理解できたのですが、オイラの理解自体が東川に言わせれば誤解かもしれませんので(^^ゞ 飽くまでオイラの文責で書いておくと、こうなります。

「調号」に相当する英語はKey Signatureですので、Keyとは、調号によって示される何かです。他方、調号が示すスケールは、長短平行調の2種類あります(むしろ、並べ替えを考えれば、7種類のモードを含意する)。このため、そのうちのどちらのスケールを示しているのかは、調号を見ただけでは分かりません。調号はキーを示す記号なのですが、上記から調号が何らかのスケールを示すことはあり得ませんので、少なくともキーは、スケール以外の何かです。当然、「Key = C maj.」なんて書き方は、間違った表記だと思います。

ただし、調号によって、階名で言うドレミ……7種のピッチクラスが該当する音名が何なのか? については一意に確定しますから、「そういう脈絡」は提示されているわけです。この脈絡が、キーなのです。色々議論はあるようですが、このような脈絡を指すには、恐らく「調性」という日本語がしっくり来ると思います。ただし、「調性とは何か?」という問題は、音楽学者の間でも色んな議論があるようですし、一般に調性とはtonalityの訳語でしょうから、Keyからは区別しておいた方が良いのかもしれません。長ったらしいですが、「ダイアトニックな音程組織」とでも言えば、多少は誤解が防げるかもしれませんが……。ともかく、このように階名付けされるダイアトニックな音程組織のことを、キーと言うわけです。やはり議論はあるでしょうし、オイラは素人ですが、オイラに言わせれば「ダイアトニック」とは、「階名を与えられること」です。

東川清一はキーについて、中国における楽理用語を移入して、「均」とすることを提唱していて、たとえば「ハ均」と言えば、Cメジャーか、Aマイナーかはともかく、そういうダイアトニックな音程組織を指すことになります。ここから、「調号」のことを、東川は「均記号」と言い換えます。が、横文字が多く使われるポピュラーの脈絡では、無理に訳語を考えず、「キー」で済むでしょう。が、その「キー」が上記のようにスケールと同一視されていることが問題なのです。

さて、「ハ均」の例でも分かるように、キー自体はダイアトニックな音程組織を示すわけですが、これを示す上での「ハ均」にせよ「Key C」にせよ、示し方は、移動ド・階名における、ドが相当する音名で代表させるというのが、昔からの慣習のようです(たとえば、こちらのトニック・ソルファの解説に使われている譜例には、「Key E.」との表記が見られます)。むしろここから、短絡するとすれば、「キーとはドに相当する音である」となるでしょう。

ただ、キーとスケールの同一視という誤解以外にも、楽理本などでも「メジャー・キー」「マイナー・キー」との言い回しを見かけます。こちらについては、何を言いたくてこのような言い回しが為されているのかが、オイラには正確には理解できていないのですが、どうも、メジャー=明るい、マイナー=暗いというイメージと結びつけた上で、「調号とは調子記号の略」との発想と相まってか、「メジャー・キーだから明るい調子で」的な意味合いで使われているような気がします。

他方で、今日キーについてなされている誤用に基づく語法のしぶとさを踏まえると、そう簡単に「間違い」と言って切って捨てるわけにも行かないですし(「独擅場」が正しいと言った所で、「独壇場」も十分浸透しているように)、善し悪しは別にして、移動ドの衰退と相まって、移動ドにおけるドに相当する音名でキーを示しても、いまいちピンと来ない、ということだってあるでしょう。むしろ、ここからkey of C maj.的な言い回しが出てきたのではないでしょうか?

オイラ自身はそもそも移動ドvs固定ドの争点がどこにあるのか自体分からないのですが、音名は任意であってもよい平均律を前提にしても(東川はクラシックの立場で純正律教育と移動ドとを結びつけるようですが、ポピュラーの立場で平均律を前提に考えるにしても)、具体的な音名を抽象化した上で、メジャー・スケール一般、マイナー・スケール一般に成り立つことを考えるには、移動ドで考えた方が分かりやすいです。その上で、長短の差異をも抽象化した上で考えるなら、ナッシュヴィル・ナンバリング・システムを使えば良いでしょう。

オイラ自身の経験で言えば、ローマ数字と音名で為される説明が理解しづらかった楽理本の内容は、階名で言い換えて、長短スケール一般でどうなるかを考えて、それからローマ数字と照らすことで、「ああ、なるほど」と納得できるようになりました。音名とローマ数字だけで、どうやって楽理を理解するのか、オイラにはよく分からないんですが(理解できた経験がないだけに)、だからこそ、楽理が分からない方には「先に移動ドを理解した方が手っ取り早い」と言いたいですね。階名で言えることは、どの「キー」にも当てはまるんですから。ドが相当する音名を差し替えれば良いだけの話なんですし。


リディアン・セブンス・スケール
  • メジャー・スケールの脈絡で、オルタード・スケールを第5音(レb)から並べたもの。
  • よって、メジャー・スケールにおけるドミナント(ソ)の裏(レb)上に成り立つセブンス・コード向けコード・スケールとして使える。
  • スケールの名称は、リディアンと比較して第7音がマイナーとなっていることに由来。
  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
alt. scale s lb   tb db(=t)   rb   mb   f  
Lyd. 7th. rb   mb   f   s lb   tb db(=t)  
Lyd. f   s   l   t d   r   m
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

では、こちらも露骨なⅡ-bⅡ-Ⅰの譜例を示しておきます。Key Cです。

lyd_psd.jpg


蛇足: マイナー・スケールにおける表裏混合

オルタード・スケールは、メジャー・スケールにおけるドミナント上で裏の響きを混ぜ込むべく作られたものと考えられたことから、同じ発想をマイナー・スケールに取り入れたらどうなるか? と言うことも考えてみました。こんなん出ました。

  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
残すコード・ノート m       s#    
    r  
裏スケール tb db(=t)     r mb   f sb   lb  
マイナー向けオルタード? m f sb   lb(=s#)   tb db(=t)     r  
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

このスケールを実際にⅡ-Ⅴ-Ⅰで使ったらどうなるか? やはり露骨な譜例を作ってみました。

まずは対比のために、マイナーにおけるドミナント向けコード・スケールとしてもっとも素直と思われるハーモニック・マイナー5thビロウの譜例。Key Ebです(Key Aでも良かったんですが、日本で楽理の話をする場合、Cの同主調を使うのが慣習のようなので、従っておきます)。


続いて、試しに作ってみたスケールを当てはめた譜例。聞いた感じ、オイラはアリと思いましたが、オルタード・スケールを使った場合とたいして変わらない気もします(^^ゞ



蛇足: ハーモニック・マイナー5thビロウ

楽理本やネット情報では、5thの前に「パーフェクト」を付けた表現が多いのですが、オイラは「パーフェクト」を付ける意味があるのかどうかを、かなり疑わしく思っています。

要は、ハーモニック・マイナーを第5音から並べ替えているわけです。完全5度移調している訳じゃありません。スケールにおける第5音を表す5thが、インターバルのように完全か、増減しているかを示す必要があるとは思えません。

他方、なぜピロウなのか? という点は疑問が残ります。むしろ、このビロウの由来如何によっては、「やはり『パーフェクト』は必要だ」と言えるのかもしれませんし。また、「ビロウがあるならアバヴもあるのか??」という謎も出てきますね。

楽理用語にはこの手の謎が色々ありますが、こういった謎が解消されれば、各種用語の意味や用法もすっきりするんじゃないか? という気もします。上で述べた「キー」にしたって、由来というか、本来の意味が分かれば、スケールと同一視されたり、「メジャー・キー」のような正確な意味がよく分からない言葉づかいもなくなるんじゃないでしょうか?
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べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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