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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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今回から、ディミニッシュ・コード向けのコード・スケールを検討していきます。ディミニッシュ・コードがドミナント・コードの代理となり得る根拠をまずは検討し、それに応じてコード・スケールがどうなるのかを考えることになります。

まず、音楽をそれなりに理論的に考えたことがある人にはすぐ分かるであろう話を確認しておきます。

ドミナント・コードと言えば、いわゆるセブンス・コードです。メジャー・スケールから構成する場合はドミナントのソから三度堆積させるので、残るコード・ノートはシ、レ、ファ。同様に、ハーモニック・マイナー・スケールから構成すると、ミ、ソ#、シ、レとなります。これらは、4声のコードですが、更に三度堆積させて5声のコードを考えて、ルートを省略すると、結局中身は、メジャー・スケールではシ、マイナー・スケールではソ#をルートとする4声のコードを取り出すことが出来ます。

メジャー・スケールの場合はハーモニックで考える必要が出てきますが、このような作業を通じて、長短両スケールからディミニッシュ・コードを取り出すことが出来ます。

  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
on maj. t d   r   m f   s lb    
on min. s# l   t d   r   m f    
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

このようなディミニッシュ・コードがドミナント・コードの代理となるのは、どちらもトライトーンを成す2音を含んでいるからです。コード・ノートとしては、P1とb5によって、トライトーンが構成されています。

このように、コードの出自が明白ですので、それぞれのコード・スケールは、それぞれハーモニック・メジャーをシから並べ替えたものや、ハーモニック・マイナーをソ#から並べ替えたものとなります。

ところが、ポピュラー系楽理本では、ドミナント・コードの代理となるディミニッシュ・コード向けコード・スケールとして紹介されているのは、ディミニッシュ・スケールやコンディミ・スケールなのです。これらのスケールがどこから導かれ、どのような脈絡で使うことが出来るのか? 考えていきます。結論が出ると良いのですが……




まず、篠田の説明から見ていきましょう。



こちらのp.26で、

ドミナント7thコードには、多くのテンションが認められていますが、たとえば#9th、#11th、13thをピック・アップしてみるとディミニッシュ・コードを構成させることができます

として、譜例が示されているのですが、オイラはオタマジャクシを見てもすぐにはインターバルが分からないので(^^ゞ 表を使って考えてみます。まず、ドミナント・セブンスに、#9、#11、13を加えてみます。脈絡となるスケールが分からないので、階名や音名を与えず、音は「○」で示しておきます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
         
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

なるほど、#9はm3、#11はb5、13はdim7のエンハーモニックですから、元のドミナント・コードのルートと合わせると、確かにディミニッシュ・コードを構成できますね。

更に篠田の説明を見ていきます。

たとえばC7にb9thのテンションを与えてルートをオミットするとEdimが得られ、これはDbdimと同じ構成になります。つまりドミナント7thコードでのb9thの使用はルートに対して半音上のディミニッシュ・コードを形成するわけです

前半は先に確認したドミナントをルートとした5声コードの話です。メジャー・スケール上ならソ、シ、レ、ファ、ラbのソを省略、マイナー・スケール上ならミ、ソ#、シ、レ、ファのミを省略すれば、ディミニッシュ・コードを構成できます。

問題はその続きです。

ディミニッシュ・コードの特徴として、以下の2点は重要です。
  • コード・ノートはm3間隔で並ぶ
  • 転回すれば、コード・ノートのどれでもルートとなる
このため、メジャー・スケール上であれば、ラbのm3上はシですし、マイナー・スケール上であれば、ファのm3上はソ#と言う具合に、なんてんだ? 尻尾を飲むウロボロスのように、とでも言うか、同じコード・ノートを保ったまま、ルートだけ交代させる、と言うことが出来るわけです。

ですから、Edim7のコード・ノートE, G, Bb, Dbのどれがルートになっても中身は変わらず、DbをルートとしたDbdim7に書き換えできる訳です。

ここから篠田は「ドミナント7thコードでのb9thの使用はルートに対して半音上のディミニッシュ・コードを形成する」と言うわけですが、具体的に篠田が使ったC7を例に言うと、C7にb9を加えたC7(b9)のルートを省略すればEdim7となり、このEdim7は転回するとDbdim7となります。このため、C7(b9)はDbdim7を含意していることになります。

さて。以上のような訳で、C7(b9)から、Edim7とDbdim7を取り出すことが出来たことになります。篠田の説明は続きます。

コンディミはこのようにして得られた2つのディミニッシュ・コードを重ね合わせると出来上がります

と、篠田は譜例を示すのですが、これが謎。こうして確認してきたように、「このようにして得られた2つのディミニッシュ・コード」とは、C7(b9)から取り出せるEdim7と、それを並べ替えたDbdim7の2つを指すと考えるのが自然です。ところが、なぜか篠田が示す譜例は、Cdim7とDbdim7を組み合わせてCコンディミ・スケールを形成して見せたものなのです。Edim7のコード・ノートにCは含まれていないんですよね(^^ゞ

どこからCdim7は出てきたんだ??

どうやら、具体例としてのC7を挙げる前に示していた、ドミナント・セブンス・コードに #9、#11、13を加えてディミニッシュ・コードを作るって話を、いつの間にかC7に当てはめていたようです。

ともかく、そう言う話なら、ポイントは次のように整理できます。
  • ドミナント・セブンス・コードに親和的なテンション#9、#11、13を加える場合、これらテンションとルートを組み合わせることで、ディミニッシュ・コードを構成できる。
  • ドミナント・セブンス・コードにb9のテンションを加え、ルートを省略すると、残りはディミニッシュ・コードであり、これを転回すると、元のドミナント・コードのルートより半音上のディミニッシュ・コードと捉えることが出来る。
  • かくして、一つのドミナント・コードから、同じルートのディミニッシュ・コード、ルートが半音上のディミニッシュ・コードの二つが取り出せることから、これらを組み合わせて構成したスケールが、コンディミ・スケールである。
……オイラはまだよく理解できていないのですが(^^ゞ 長短両スケールで共通して成り立つ話なので、ナッシュヴィル・ナンバリング・システムを使って考えてみましょう。すると、当然ドミナントはⅤです。まず、
  • ドミナント・セブンス・コードに親和的なテンション#9、#11、13を加える場合、これらテンションとルートを組み合わせることで、ディミニッシュ・コードを構成できる。
というのが、どういう話なのかを確かめましょう。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
  bⅦ bⅡ    
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

よって、ここで構成されるディミニッシュ・コードのコード・ノートはⅤ、bⅦ、bⅡ、Ⅲです。

続いて、
  • ドミナント・セブンス・コードにb9のテンションを加え、ルートを省略すると、残りはディミニッシュ・コードであり、これを転回すると、元のドミナント・コードのルートより半音上のディミニッシュ・コードと捉えることが出来る。
と言うのは、Ⅴ7(b9)からルートを省略したものはⅦdim7であり、これを転回するとbⅥdim7と書き換えられるってことです。一応表でも確認しておきましょう。

  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
on maj.       bⅥ    
on min.   bⅢ     bⅥ    
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

すると、コード・ノートはbⅥ、Ⅶ、Ⅱ、Ⅳです。

よって、
  • かくして、一つのドミナント・コードから、同じルートのディミニッシュ・コード、ルートが半音上のディミニッシュ・コードの二つが取り出せることから、これらを組み合わせて構成したスケールが、コンディミ・スケールである。
というのは、Ⅴdim7の Ⅴ、bⅦ、bⅡ、Ⅲと、bⅥdim7のbⅥ、Ⅶ、Ⅱ、Ⅳを組み合わせてコンディミ・スケールを作るってことになります。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
bⅥ
bⅦ
bⅡ


b9 9 #9 b11 11 #11
b13 13 #13

Ⅴdim7を取り出すためには#9, #11, 13のテンションを想定しなければなりません。これらは、bⅦ、bⅡ、Ⅲに当たりますから、bⅦはマイナー・スケール由来、Ⅲはメジャー・スケール由来なのに対して、bⅡは長短どちらのスケールにも含まれないわけですから、かなり特殊な脈絡においてでもなければ出てきそうにありません。他方、bⅥdim7を取り出すには 、メジャー・スケールがハーモニックである必要がある程度です。

となると、そもそもⅤdim7自体がなかなか登場しなさそうで、使える場面は限られてきそうですね。


まだ理解できた気がしないのですが、とりあえず今回はここまで。
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べぇす
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男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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