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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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楽理本によってドミナント・コードに対するコード・スケールの説明の仕方が違いす。この違いを踏まえて、ドミナント・コードに対するコード・スケールについて考えてみます。さしあたり参照するのはこれら3冊です。



水野による、ドミナント・コードに加わったテンションに応じて「使える」(「使うことが必然的な」ではない)コード・スケールの説明を続けて見ていきます。

今回は、水野の説明がよく分からないことから、素人のオイラなりに私見を提示させていただきます。

#5, b13

これらもエンハーモニックです。使い分けは5thと同居するかどうか、ですね。やはり、表で確認しましょう。

  P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
maj. s lb l   t d   r
m f  
min. m f   s s# l   t d   r  
    b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

#5/b13はマイナーのドですから、マイナーの脈絡でしか登場しないでしょう。だったらコード・スケールは迷うことなくハーモニック・マイナー 5thビロウとなりそうなものなのですが、「必然性みたいなもの」を持ち出す篠田と違って、水野は外延の部分的な一致から「使える」コード・スケールを提 示しますから、ホール・トーン・スケールも掲げます。上で見たように、林もホール・トーン・スケールをⅤ7(#5)で使えるとしています。

ドミナント・コード向けのコード・スケールの話としてはここで終わりなのですが、水野はこのコード・クォリティについて補足説明をします。

ただ、恐らくは蛇足で行ったとおぼしきこの説明が、よく分からないのです。確認しましょう(p.199)。

このコードはよく3度7thというセカンダリー・ドミナント・コードで使われます。

ここで確認しているのはⅤ7(#5)ないしⅤ7(b13)なのですが、むしろこのコード・クォリティはⅢ7(#5)ないしⅢ7(b13)で使われる、というのです。

セカンダリー・ドミナントは、トニック・コード以外のコードをⅠと見立てることで作り出したⅤのコードをいいます。ここでは、メジャー・スケールの脈絡で考えてみます。すると、Ⅲはミですね。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
m f
s lb
  t d
r  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

ミの上にドミナント・コードを作るためには、ラをラbにする必要があるので、脈絡となるのはハーモニック・メジャーってことになります ね。#5/b13はドとなり、スケール・ノートにネイティヴです。ともかく、ここから、ハーモニック・メジャーをミから並べ替えたスケールが、Ⅲのドミナ ントには使えそうです。

ただ、ここで考えているコード・クォリティは7(#5)ですから、P5のシがNGです。当然、ラbとドの間が広く開いてしまいます。

ここで、水野はCメジャーにおけるE7を例に、「調性からの補填」手法を使ってみせることで、以前確認したエンハーモニックにかかわる謎の処理のような、不可解な説明をするのです。

まず、E7(#5)のコード・ノートをを割り出しましょう。本来のダイアトニック・コードならEm7ですからE G B Dとなりますが、第3音がメジャーとなり、P5が#5になるので、

E G# C D

となります。このG#はハーモニック・メジャーのラbに当たるAbとエンハーモニックなのですが、コード・ノートとしては第3音の変化だからか、水野はG#とします。

このコード・ノートの隙間を調性で補填するわけですから、結果的にEフリジアンで補うことになります。Eフリジアンは

E F G A B C D

となり、この第1、3、5、7音が別途E7(#5)に置き換わるわけですから、補填される第2、4、6音は

F A C

です。これでE7(#5)の隙間を埋めると、

E F G# A C C D

となってしまい、#5が第6音とエンハーモニックになってしまうわけです。

ともかく、この段階でできあがったスケールをを確認しておきましょう。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
E F
  G# A  
C
D  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

FとG#の間、AとCの間が広く開いてしまいますね。それぞれ、水野は対策を講じます。

まず、FとG#の間に、Gを補填します。このGの出所ですが、水野は説明していません。譜例(p.199)にちょこっと注釈があるのですが、そこから判断すると、ハーモニック・マイナー5thビロウと対比しているようなんです。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
m f   s s# l   t d   r  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

ソとソ#が共存するように、G#はGと共存してよい、ということのようです(説明になるとは思えない説明ですが)。

ただ、ハーモニック・マイナー5thビロウのP5に当たる音は、コードと矛盾するため補えません。そこで水野はAをA#と交換するのですが、その説明は不可解です(p.200)。

スケールを並べますと、G・G#・Aの3音がクロマチックになります。これはフレーズを作るのに不向きになりますからA#にして前後を全音関係にします。

半音が3音並ぶのが不都合なら、ハーモニック・マイナー5thビロウはどうなるんでしょう?? s s# lと並ぶんですが(^^ゞ もちろん、ハーミニック・マイナーに由来するなら本来ならソはソ#と置き換えられるので登場しないわけですが、上行ではソ#、下行ではソが使われるとするのが一般的な楽理ですし、実際には混在する事例もザラですからね。

ともかく、できあがったスケールはこういうものです。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
E F
G G#
A#
C
D  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

このようなわけで、水野によるこのスケールを構成する手順・理屈は、すんなり理解できるものではありません。

そこで、全くのド素人であるオイラの私見としてですがは、次のように捉えた方がよいのではないか? と言う気がします。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
m f
s lb
tb
d
r  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

まず、M3はやはりハーモニック・メジャー由来と捉えることで、ソ#ではなくラbと捉えます。こうすることで、水野が例としたCメジャーにおいても、G#はむしろAbとなります。

続いて、水野がAから変化させたA#は、むしろBが半音下がったBbと捉えます。階名で言えばシか半音下がるわけです。これは、林が言うナチュラル・テンションに数えられる#11の音ですから、加えること自体に問題はないかと思います。

すると、ラとシがどちらも半音下がったことになります。これは、「メロディック・メジャー」です。ナチュラル・メジャーのラが半音下がるとハーモニック、更にシが半音下がるとメロディックという変種に、それぞれなります。

ですから、メジャー・スケールにおけるⅢ7(#5)のコード・スケールは、メロディック・メジャーをミから並べたモードと捉えた方が、すんなり説明出来ると思います。

ちなみに、このスケールに名前をつけるとしたら、「イオニアンb9」とでもなるんですかね???


なお、水野は説明していないのですが、マイナー・スケールだとⅢ7(#5)向けコード・スケールはどうなるんでしょう?? 階名で考えると、マイナーの第3音はドです。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
d
r   m f  
s# l tb  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

#5はハーモニック・マイナーのソ#ですから、すんなり出てきますね。

m7はシを半音下げることになりますね。ちなみに、水野はs#  l tbとクロマチックに3音並ぶのを嫌がるんでしょうか??


今回はここまで。
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男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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