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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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楽理本によってドミナント・コードに対するコード・スケールの説明の仕方が違いす。この違いを踏まえて、ドミナント・コードに対するコード・スケールについて考えてみます。さしあたり参照するのはこれら3冊です。



篠田による「代理関係に基づく」ドミナント・コード向けコード・スケールの説明を見ていきます。前回は、コード進行におけるトニック・コードがトニック代理に変更された場合だったのですが、今回はドミナント・コードが代理に変更になった場合です。

はっきり言って、よく分からないんですよ(^◇^;)

今回検討するコード進行はこちらです(『新・実践コード・ワーク (3) スケールとモード 』p.33)。
 
Dm7 Db7 CM7 Eb7

元のコード譜にも特段の記載はないのですが、この4小節を繰り返すことを前提に考えます。コード・スケールを割り出すために、このコード進行を分析してみます。最初の3小節はⅡ-Ⅴ-ⅠのⅤが、代理のbⅡに置き換わっています。

Dm7 Db7 CM7 Eb7
IIm7 bII7 IM7  

後ろ2小節は、1小節目に戻るに当たってドミナント進行させるために、セカンダリー・ドミナントを設定した上で、そのセカンダリー・ドミナントを裏で代理させています。

Dm7 Db7 CM7 Eb7
IIm7 bII7 IM7  
Im7     bII7

このため、ⅠはC、そのコードがメジャー系ですから、Cメジャー・スケールに基づいていることになります。すると、全体としては次のように分析されます。

Dm7 Db7 CM7 Eb7
IIm7 bII7 IM7 bIII7

これに基づいて、水野の説明にあった、「調性から補填する」方法で、ドミナント・コード向けのコード・スケールを考えてみます。

Db7について。コード・ノートは以下の通りです(三度堆積を分かりやすくするために、あえてクラシックっぽい音名表記にしておきます)。

Db F Ab Cb

隙間を調性(今回はKey C)から補填すると、こうなります。

Db E F G Ab B Cb

すると、BとCbはエンハーモニックなので、重複してしまいますね。この場合の処理法については、水野の説明自体がよく分からないため、オイラにはお手上げです。

林的には、欲しいサウンドを勘案してテンション(というか隙間)を設定し、何なら新しいスケールを作っても良いようなので、オイラの好みで(もはや理論ではない)考えてみます。流れを勘案すると、オイラにはこんなのがよさげに思えます。

Db7_scale.jpg

では、このスケールのインターバルを考えてみます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Db     E F   G Ab   Bb Cb  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

これは、どんなスケールなんでしょうね?? DbとEの間隔が広いので、この箇所がハーモニック・マイナーのファ-ソ#だと仮定して、階名を振ってみます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Db     E F   G Ab   Bb Cb  
f     s# l   t d   r mb  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

ミにフラットを付ける必要が出てしまったので、ドをラと読み替えて、階名を振り直してみます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Db     E F   G Ab   Bb Cb  
r     m# f#   s# l   t d  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

階名に付く変化記号が増えてしまったので、元の階名付けの方がすっきりしているかも? では、最初の階名付けからスケールの種類を考えてみましょう。
  • トニックをファと読む→リディアンの変形
  • ソ#→#9
  • ミb→#13
と言うわけで、暫定的に(一般にこんなスケールに名前が与えられているかどうかが分からないので)「リディアン#9, #13」としておきます。

続いて、Eb7のコード・スケールを確認しておきましょう。Eb7のコード・ノートは以下の通りです。

Eb G Bb Db

隙間をKey Cから補填します。

Eb F G A Bb C Db

こちらはエンハーモニックが出ませんね。インターバルを確認してスケールの種類を特定しましょう。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Eb   F   G   A Bb   C Db  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

最初の4音が全音間隔になっているので、その両端によってトライトーンが構成されていることになります。よってEbをファ、Aをシと読んで階名を付けてみます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Eb   F   G   A Bb   C Db  
f   s   l   t d   r mb  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

これは、ファのモードであるリディアンの第7音を半音下げたものですので、リディアン7thスケールと言えそうです。

あるいは、ミをフラットさせる必要が出てきたため、むしろドをラと読み替えて、マイナー・スケールの変形と捉えた方が良いかもしれません。読み替えてみます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
Eb   F   G   A Bb   C Db  
r   m   f#   s# l   t d  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

この階名付けから判断すると、メロディック・マイナー・スケールを、レ、すなわちトニックの5度下であるサブドミナントから並べ替えたものと言えそうですから、それっぽい名前を付けるとすると、「メロディック・マイナー・フィフス・ビロウ」とても呼べそうですね。

すると、リディアン7thはメロディック・マイナーの変形なんですね。

では、篠田が与えている答えと解説はどうなっているでしょうか?(『新・実践コード・ワーク (3) スケールとモード 』p.33)

2小節目Db7、4小節目のEb7は、それぞれG7、A7の置換ドミナントです。Db7はC△7に、Eb7は頭のDm7に対して、それぞれ半音下行のルート・モーションを行うのが特徴となります。このような置換ドミナントのコート・スケールは、9th、13thのナチュラルテンションや#11thを含むリディアン7thスケールが基本スケールと考えられます。この点も、やはり元のコードのコード・スケールとの密接な関係からつかめると思いますが、調性に音列を近づけるという考え方が反映されているのが分かるでしょう。

オイラに言わせると全く解説になっていないのですが(^◇^;) ともかく、Db7、Eb7のどちらに対しても、篠田はリディアン7thスケールが基本だと、とりあえず言っています。Eb7については結果、答えが一致しているものの、問題はその答えに辿り着く方法です。篠田の説明を更に読むと、要するに
  • 元のコードのコード・スケール
という考えが潜んでいるのが分かります。

今回登場したドミナント・コードは、篠田の用語だと置換ドミナント、俗に言う裏コードですので、「元のコード」とは、表のコード(って、こんな言い方、慣習に適っているんでしょうか?)と言えそうです。すると、篠田は続けて「調性に音列を近づける」と述べていますが、むしろ、調性に近づけるのではなく(少なくともEb7のコード・スケールは調性に近づける方向で考えた結果が、篠田が用意する解答に合致しなかったのですから)、元のコード、表のコード向けのコード・スケールに近づけようとして、そこから隙間を補うつもりなのではないか? という気がしてきます。

では、この仮説に基づいて考えてみます。

オイラが出した答えが〈間違って〉いたDb7について。表はG7で、Key Cの脈絡ですから、Gミクソリディアンが表のコード・スケールとなります。Db7の隙間を、Gミクソリディアンで補填することを考えてみたいのですが、これはKey Cの調性をGから並べ替えただけなんですから、やることは水野の手法と同じ。結局、CbとBのエンハーモニックって問題が再燃します。

続いて、オイラが水野の手法で考えた答えが合っていたEb7。こちらの表はA7で、コード・スケールはAミクソリディアンb6です。スケール・ノートを示しておきます。

A B C# D E F G

Eb7のコード・ノートは

Eb G Bb Db

ですから、隙間をAミクソリディアンb6で埋めてみましょう。

Eb F G A Bb C# Db E

ここでは、C#とDbがエンハーモニックになってしまいます。むしろ、これでは答えが出せません。

すると、セカンダリー・ドミナントが裏に置換えられた場合は、水野的な方法でリディアン7thスケールを導けますが、本来のドミナント(?)を裏にした場合は、どこからリディアン7thスケールが出てくるのかが、結局分からない、ということになります。理屈が分かる方、是非コメントを!!



以下、どこかの本を典拠とした記載ではなく、オイラ自身の素人考えです。ですから、根拠はありません。

いわゆる裏コードはどこから出てくるのか? これは、表のドミナント・コードに含まれる、トライトーンを構成する2音を含む、別なコードが「ノン・ダイアトニック」にないか? と探した結果でしょう。ここでのポイントは、音名は任意で良いので階名で考えると、元のドミナント・コードにあるファはシに、元のシはファに、それぞれ置換えられた、と言うことです。つまり、元の音が増4度ないし減5度、トランスポーズされたと言えます。このため、裏コードに対するコード・スケールも、元のドミナント・コード向けのコード・スケールのスケール・ノートが、全て増4度ないし減5度トランスポーズされて、bⅡミクソリディアンとなると考えるのが、最も自然ではないか? と言う気がするのです。メジャー・スケールで考えてみます。やはり、音名は任意でよいので、階名で考えます。

P1 m2 M2 m3 M3 P4 #4/b5 P5 #5/m6 M6/dim7 m7 M7
s   l   t d   r   m f  

     
   
   
 
rb   mb   f sb   lb   tb t  
  b9 9 #9 b11 11 #11   b13 13 #13  

裏のミクソリディアンの階名を見てください。そもそもノン・ダイアトニックにしたのですから当然ですが、かなり変化記号が見られます。他方、もともとドミナント・モーションのためにトライトーンを成す2音、その2音を含むように選んだコード・ノートは、絶対変更できません。それでも、出来るだけ元の調性に近づけることを考えてみましょう。

すると、変更可能なのは(つまり、表のコード・スケール、すなわち外延としては調性に近づけられるのは)、階名で言うとミb、ソb、シbです。このうちミbについては半音上下しづらい。上げればハーモニック・マイナー同様スケールとして不自然になり、ラインを構成しづらくなります。半音下げても、広いインターバルが出来る場所が変わるだけのこと。このため、ミbはこのまま動かせないでしょう。シbを動かすとしたら、半音下しかないのですが、動かすとコード・ノートのラbから見たアボイドになってしまうので、やはり動かせない。このため、動かせるのはソbを半音上げるという選択肢のみ、しかも、そうやって動かすことで、コード・ノートのファのアボイドから外れることになる。更に、ソは元のメジャー・スケールにおけるドミナントです。元々ドミナント・コード向けのコード・スケールなんですから、本来のドミナントが含まれるのは、きっと好都合です。

そうやって得られたスケールの外延は、なるほどリディアン7thスケールに一致します。

繰り返しですが、これはオイラの素人考えでしかありませんので、「そんな気がする」という程度の話です。

ただ、これは無理に理屈で説明できる話とは違うような気もします。林も、bⅡ7でリディアン7thスケールを使える理由を説明していないだけではなく、むしろ欲しいサウンドに応じて自分でスケールを考え出すことを勧めてすらいるわけですから。


それにしても、篠田は何を説明したかったんでしょう?


今回はここまで。
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べぇす
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男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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