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前回、最後の辺りでこんな表を示しました。
これは、メジャー・スケールとマイナー・スケールを階名で抽象化し(よって、音名は任意で構いません)、それぞれのドミナントから並べ直したものです。ここから、ドミナント・コード向けコード・スケールを考えるに当たって、
そこで、今回はドミナント・コード向け各種コード・スケールを一瞥してみよう、と思ったのですが、ちょいと思いとどまりました。もちろん、この話題はいずれ取り上げます。
思いとどまった理由は、譜面エディタで譜面を書いていて、たまに横着してコード解析させると、オイラが五線譜に書いてある符頭を、譜面エディタは異名同音で読み替えた上でコード・ネームを示すことがあるんですよね。このため、
他方、振り返ってみると、小中学校に通っていたときに「正しい五線譜の書き方」なんて習った覚えもないですし、改めて思い起こしてみれば、異名同音のかき分けについて誰かに習った覚えもなければ、何かの本でそういった話に接した覚えもないんですよね。
そこで、これまでいわゆる近親調の問題を階名・移動ドで考えてきたことを踏まえ、異名同音をどう書けば良いのか? について、考えてみようと思います。飽くまで私見ですし、オイラがこれまでこのように書いてきた、という話でもありません(^◇^;) 今回近親調について考えたことを踏まえれば、「こう書くのが理屈に適っているのでは?」と考えられるところをまとめてみようという話です。
どこかできちんとこの手のことをアカデミックに習った人に言わせればおかしな点もあるでしょうし、実際に書いてみると、むしろオイラ自身が慣習的に行ってきた書き方にも反する点が出てきてしまいます。だからこそ、「正しい譜面の書き方」にかんする情報が欲しいところです。お分かりになる方は、参考図書やサイトについて、コメント頂ければ幸いです。
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 | |
maj._dom. | s | lb | l | tb | t | d | r | m | f | |||
min._dom. | m | f | f# | s | s# | l | t | d | r | |||
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
これは、メジャー・スケールとマイナー・スケールを階名で抽象化し(よって、音名は任意で構いません)、それぞれのドミナントから並べ直したものです。ここから、ドミナント・コード向けコード・スケールを考えるに当たって、
- P1からP4まで、及びP5は、全てスケール固有音、あるいはスケールに基づいた変化音で埋まっている
- #11は自然倍音に含まれるので、追加して良い
- #5/m6以上の隙間については、別途考えなければならない
そこで、今回はドミナント・コード向け各種コード・スケールを一瞥してみよう、と思ったのですが、ちょいと思いとどまりました。もちろん、この話題はいずれ取り上げます。
思いとどまった理由は、譜面エディタで譜面を書いていて、たまに横着してコード解析させると、オイラが五線譜に書いてある符頭を、譜面エディタは異名同音で読み替えた上でコード・ネームを示すことがあるんですよね。このため、
- おいらは異名同音の選択の仕方を間違っているのではないか?
他方、振り返ってみると、小中学校に通っていたときに「正しい五線譜の書き方」なんて習った覚えもないですし、改めて思い起こしてみれば、異名同音のかき分けについて誰かに習った覚えもなければ、何かの本でそういった話に接した覚えもないんですよね。
そこで、これまでいわゆる近親調の問題を階名・移動ドで考えてきたことを踏まえ、異名同音をどう書けば良いのか? について、考えてみようと思います。飽くまで私見ですし、オイラがこれまでこのように書いてきた、という話でもありません(^◇^;) 今回近親調について考えたことを踏まえれば、「こう書くのが理屈に適っているのでは?」と考えられるところをまとめてみようという話です。
どこかできちんとこの手のことをアカデミックに習った人に言わせればおかしな点もあるでしょうし、実際に書いてみると、むしろオイラ自身が慣習的に行ってきた書き方にも反する点が出てきてしまいます。だからこそ、「正しい譜面の書き方」にかんする情報が欲しいところです。お分かりになる方は、参考図書やサイトについて、コメント頂ければ幸いです。
そういえば、そもそも「調性」とは何なのか? ということ自体が、なんでも音楽学者の間でも色々揉める事柄らしいのですが、もしこれが「調」、キーと同じなのだとすれば、日本語の「性」がどこから来たのか? という素朴な疑問も出てきます。一般に「~性」と言われれば、そういう「性質」「らしさ」を指すものと思います。余りよい例ではないかもしれませんが、「男性性」と言えば、「男性が男性たるゆえんと言えるような性質」「男性らしさ」とでもいった意味合いになるような気がします。ですから、「調性」も「調の調たるゆえんと言えるような性質」「調らしさ」と言えそうな気がします。
すると、調、キーに照らした場合、キーに属していない音が見られる場合があります。ですが、そのような音を五線譜で書き記すとき、毎度毎度調号を書き直すのか? というと、書き換えないですよね? キーを明示するには書き換えた方が親切なのかもしれない、という気もするんですが、煩わしいと言われるのがオチのようですし。かといって、明らかに転調している箇所について、調号を書き直さないのも、随時変化記号に留意しなければならないことになり、かえって煩わしいようにも思えます。
そこで、これまで考えてきたいわゆる近親調の話を思い起こしてみると、「借用」という概念が存在する以上は、別なキーから「借用」はしていても、「転調」はしていないという状況が想定されていることが含意されているように思えるわけです。すると、キーに属していなくても、キーと親和性がある変化音があって、そのような音は違和感なく借用されうるし、そのような音が使われも、その調の調らしさ、「調性」は転じていない、留まっている、ということになりそうです。
まだまだ巧い言い回しは思いつかないのですが、このように考えれば、少しは「調性」の外延が定まってくるような気がします。すなわち、いわゆる近親調から借用可能な音は、調性に適っていると言って良いように思われます。借用可能な音は、それこそ近親調について考察すれば、特に同主音階から明確に確定できます。ここでは、自然倍音に含まれることから準ナチュラル・テンション扱いされる#11も加えて考えてみます(実は疑問も残るのですが。この疑問については、最後に「蛇足」で述べておきます)。「調性とは何か?」について、明確に内包を説明するのは依然厄介ですが、このような形で外延を定める分には、問題ないかと思われます。
すると、このような調性に適った変化音の表記方法が、五線譜上での異名同音の選択方法にも敷衍されると考えるのは、すこぶる自然でしょう。ここから考えていきたいと思います。
まず、先日も示したマイナー・スケールの表に、インターバルの目盛りも書き加えて確認しましょう。
マイナーの変種から導かれるソ#とファ#、ラ同主長音階から導かれるド#は、そもそも階名がそのようになるわけですから、シャープを付けて書くのが正しいように思われます。
また、トニックであるラから見た#11ですが、これは「#11」と11にシャープが付いた音なのですから、11、すなわちP4のレにシャープを付ければ良いでしょう。
以上を踏まえて、マイナー・スケールにおける調性に適った音を改めて一覧にすると、こうなるかと思われます。
メジャー・スケールについても同様に考えてみます。ハーモニックやメロディックの変種から導かれるラbやシb、ド同主短音階から導かれるミb、自然倍音由来の#11から導かれるファ#を盛り込むことで、メジャー・スケールにおける調性に適った音を一覧にすると、こうなるでしょう。
どちらについても、トニックから見たm2に当たる音を確定できませんが、逆に言えば、トニックからみたm2は調性に適わない音だと言えるのかもしれません。翻ると、調性を前提にしてもm2以外の音は使える! と言えそうですね。
また、調号を見ただけではスケールの特定は出来ないため、ケーデンスからトニック・コードを確認しなければスケールの判定は出来ないのですが、少なくともキーからキー固有音だけは確定できます。すると、変化音の表記方法からスケールの特定が出来るかもしれませんね。上で見たように、トニックから見たm2が調性に適わないことから、
ともかく、以上を踏まえて、具体的なキーについて、長短それぞれのスケールの表記について考えてみましょう。
同主音階との関わりから、変化記号が3つというのはありふれているでしょうが、全ての音に変化記号が付く事態も相当に希でしょうから、5つ付く場合を例に考えてみます。うーん、それでも経験的に、調号に付く変化記号って4つまでの場合がほとんどの気もするのですが、まぁ、考える分には損もないだろうし。
シャープが5つ付くキー
シャープはFから5度間隔でつきますから、5つだと F C G D A に付きますね。A#がシですから、キーノートはB、よってKey Bです。メジャー・スケールのトニックはキーノートに一致するのでB、マイナー・スケールのトニックであるラは、シの全音下ですから、G#ですね。
いわゆる「複音程」は、通常の音程同様長短や増減の区別をするのがクラシック的(あるいは義務教育的)慣習のようですが、ポピュラーではテンションを完全音程扱いした上で増減させるのが慣習のようです。これに従うことで、本来は空位のはずのトニックから見たm2も、b9扱いすればレbと表記だけならできます。そこで、B maj.の例でもこれに習って、9であるC#を半音下げて、Cと表記しておきます。ですが、この音自体は、調性には適わないものと思われます。
ともかく、五線譜でも書いておきましょう。
このブログの仕様のようで、一定以上のサイズの画像は自動的にサムネイルとなるようです。クリックすれば別窓で大きな画像を確認出来ます。
恐らく、クラシック的というか、調性音楽的な譜面であれば、カッコに括った臨時記号は必要ないんだと思いますが、オイラは書き込むようにしています。というのは、オイラは詳細を知らないものの、モーダル・ライティング(モード手法に基づいた作曲法)による譜面の場合、調号自体があまり使われない一方、譜面にそもそも「コーダル」「モーダル」の別が記されるわけでもないため、誤読を避けるためにも、変化音にはとにかく臨時記号を付けるという慣習が一般化しているようなのです。
また、調号が記されている音高のオクターブ上下になると、調号を見落としてしまうとう問題もあるようですし、たとえば低いC#が登場する小節に、オクターブ上でナチュラルCが登場する、なんてこともあるため、調号の有無にかかわらず臨時記号を書いておかないと色々誤解を招くことになるようなのです。そんなわけで、調号によって変化記号の付与が含意されているはずの音高であっても、調号としての変化記号からオクターブ上下に記され、変化記号の効力が及んでいる場合は、臨時記号をカッコに括って添えるようにしています。
最も、これは「こう書けば比較的誤解が少ないのではないか? それなりの理屈による裏付けによって正しいと認められるんじゃないか?」という私見によるものでしかありません。別な見解・理屈に基づいた別な書き方が、実は既に慣習的に広まっているのかもしれませんので、ご留意頂ければ。そういった問題もあるので、「正しい譜面の書き方」みたいな本があると、ものすごく助かるんですけどね。
m2、すなわちb9の処理は、B maj.の場合と同様です。
今回は、ダブル・シャープが出てきてしまいましたね。ポピュラーではほとんど使わず、それこそ異名同音で書き換えられるので、これは慣習に反してしまいますね……。譜面の書き方については、何か別な規則があるんでしょうか? 詳細分かる方、コメントください!
ともかく、五線譜にしてみます。

フラットが5つ付くキー
フラットはBから完全4度間隔で付くので、5つだと B E A D G に付きますね。Gbがファですから、ファ ミ レ ド と4度手前、つまり、フラットの付く順序としては一つ手前のDにフラットが付いたものがキーノートとなり、よってドとなりますね。ラは、ファ ソ ラ と全音2つ上ですから、Bbですね。
今回はメジャー・スケールとマイナー・スケールの両方をまとめてしまったので、画像が大きすぎてサムネイルも表示ではないようですが、クリックすれば表示されます(^◇^;)
今回はダブル・フラットが登場しました。やはり、異名同音で書き換える慣習に反してしまいますね。
蛇足・第11倍音の#11に関する疑問
これ、実は疑問があるんですよ。
自然倍音は任意の基音について第1倍音、第2倍音……と考えることが出来る話ですから、「第11倍音が基音から見た#11に当たる」と言うなら、任意の基音についてそうなるんでしょう。
ちなみに、オイラがこの話にまともに触れたのは林の本においてで(『標準 ポピュラーコード理論 改訂新版
』p.46, 117)、コードのルートから見た#11はダイアトニックに準じた音としてナチュラル・テンションに数えるって話なのですが、この説明はドミナント・コードの脈絡で登場するんですよね。
上でも述べたように、基音が何であれ、第11倍音は基音から見た#11なんでしょうから、コードの機能が何であろうが#11は存在するはずですが、ドミナント・コードの脈絡でこの話が登場するのであれば、コードのルートはドミナント(メジャー・スケールのソ、マイナー・スケールのミ)から見た#11以外は、スケールに盛り込んではいけないのだろうか?? という疑問が残るんですよね。
上ではトニックから見た#11を調性に適った音と見なして盛り込んでしまったわけですが、果たして良かったのかどうか?
メジャー・スケールに関しては、#11はすなわち#4となりますので、階名で言えばファ#です。これは、ドミナント・キーを示唆するので、結果的には調性に適う音として扱っても問題ありません。問題はマイナー・スケールのトニックから見た#11です。こちらはレ#に当たりますが、これは自然倍音を想定しない限り説明が付かないような気がするのです。
もしかすると、オルタード・スケールの話が絡むのかもしれませんが……
疑問が残りますが、とりあえず今回はここまで。
すると、調、キーに照らした場合、キーに属していない音が見られる場合があります。ですが、そのような音を五線譜で書き記すとき、毎度毎度調号を書き直すのか? というと、書き換えないですよね? キーを明示するには書き換えた方が親切なのかもしれない、という気もするんですが、煩わしいと言われるのがオチのようですし。かといって、明らかに転調している箇所について、調号を書き直さないのも、随時変化記号に留意しなければならないことになり、かえって煩わしいようにも思えます。
そこで、これまで考えてきたいわゆる近親調の話を思い起こしてみると、「借用」という概念が存在する以上は、別なキーから「借用」はしていても、「転調」はしていないという状況が想定されていることが含意されているように思えるわけです。すると、キーに属していなくても、キーと親和性がある変化音があって、そのような音は違和感なく借用されうるし、そのような音が使われも、その調の調らしさ、「調性」は転じていない、留まっている、ということになりそうです。
まだまだ巧い言い回しは思いつかないのですが、このように考えれば、少しは「調性」の外延が定まってくるような気がします。すなわち、いわゆる近親調から借用可能な音は、調性に適っていると言って良いように思われます。借用可能な音は、それこそ近親調について考察すれば、特に同主音階から明確に確定できます。ここでは、自然倍音に含まれることから準ナチュラル・テンション扱いされる#11も加えて考えてみます(実は疑問も残るのですが。この疑問については、最後に「蛇足」で述べておきます)。「調性とは何か?」について、明確に内包を説明するのは依然厄介ですが、このような形で外延を定める分には、問題ないかと思われます。
すると、このような調性に適った変化音の表記方法が、五線譜上での異名同音の選択方法にも敷衍されると考えるのは、すこぶる自然でしょう。ここから考えていきたいと思います。
まず、先日も示したマイナー・スケールの表に、インターバルの目盛りも書き加えて確認しましょう。
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 | |
natural | l | t | d | r | m | f | s | |||||
harmonic | l | t | d | r | m | f | s# | |||||
melodic | l | t | d | r | m | f# | s# | |||||
l_p. maj. | l_d | t_r | d#_m | r_f | m_s | f#_l | s#_t | |||||
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
マイナーの変種から導かれるソ#とファ#、ラ同主長音階から導かれるド#は、そもそも階名がそのようになるわけですから、シャープを付けて書くのが正しいように思われます。
また、トニックであるラから見た#11ですが、これは「#11」と11にシャープが付いた音なのですから、11、すなわちP4のレにシャープを付ければ良いでしょう。
以上を踏まえて、マイナー・スケールにおける調性に適った音を改めて一覧にすると、こうなるかと思われます。
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 |
l | t | d | d# | r | r# | m | f | f# | s | s# | |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
メジャー・スケールについても同様に考えてみます。ハーモニックやメロディックの変種から導かれるラbやシb、ド同主短音階から導かれるミb、自然倍音由来の#11から導かれるファ#を盛り込むことで、メジャー・スケールにおける調性に適った音を一覧にすると、こうなるでしょう。
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 |
d | r | mb | m | f | f# | s | lb | l | tb | t | |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
どちらについても、トニックから見たm2に当たる音を確定できませんが、逆に言えば、トニックからみたm2は調性に適わない音だと言えるのかもしれません。翻ると、調性を前提にしてもm2以外の音は使える! と言えそうですね。
また、調号を見ただけではスケールの特定は出来ないため、ケーデンスからトニック・コードを確認しなければスケールの判定は出来ないのですが、少なくともキーからキー固有音だけは確定できます。すると、変化音の表記方法からスケールの特定が出来るかもしれませんね。上で見たように、トニックから見たm2が調性に適わないことから、
- tbが存在する→メジャー・スケール
- d#が存在する→マイナー・スケール
ともかく、以上を踏まえて、具体的なキーについて、長短それぞれのスケールの表記について考えてみましょう。
同主音階との関わりから、変化記号が3つというのはありふれているでしょうが、全ての音に変化記号が付く事態も相当に希でしょうから、5つ付く場合を例に考えてみます。うーん、それでも経験的に、調号に付く変化記号って4つまでの場合がほとんどの気もするのですが、まぁ、考える分には損もないだろうし。
シャープが5つ付くキー
シャープはFから5度間隔でつきますから、5つだと F C G D A に付きますね。A#がシですから、キーノートはB、よってKey Bです。メジャー・スケールのトニックはキーノートに一致するのでB、マイナー・スケールのトニックであるラは、シの全音下ですから、G#ですね。
- B maj.
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 |
d | × | r | mb | m | f | f# | s | lb | l | tb | t |
B | C | C# | D | D# | E | E# | F# | G | G# | A | A# |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
いわゆる「複音程」は、通常の音程同様長短や増減の区別をするのがクラシック的(あるいは義務教育的)慣習のようですが、ポピュラーではテンションを完全音程扱いした上で増減させるのが慣習のようです。これに従うことで、本来は空位のはずのトニックから見たm2も、b9扱いすればレbと表記だけならできます。そこで、B maj.の例でもこれに習って、9であるC#を半音下げて、Cと表記しておきます。ですが、この音自体は、調性には適わないものと思われます。
ともかく、五線譜でも書いておきましょう。
恐らく、クラシック的というか、調性音楽的な譜面であれば、カッコに括った臨時記号は必要ないんだと思いますが、オイラは書き込むようにしています。というのは、オイラは詳細を知らないものの、モーダル・ライティング(モード手法に基づいた作曲法)による譜面の場合、調号自体があまり使われない一方、譜面にそもそも「コーダル」「モーダル」の別が記されるわけでもないため、誤読を避けるためにも、変化音にはとにかく臨時記号を付けるという慣習が一般化しているようなのです。
また、調号が記されている音高のオクターブ上下になると、調号を見落としてしまうとう問題もあるようですし、たとえば低いC#が登場する小節に、オクターブ上でナチュラルCが登場する、なんてこともあるため、調号の有無にかかわらず臨時記号を書いておかないと色々誤解を招くことになるようなのです。そんなわけで、調号によって変化記号の付与が含意されているはずの音高であっても、調号としての変化記号からオクターブ上下に記され、変化記号の効力が及んでいる場合は、臨時記号をカッコに括って添えるようにしています。
最も、これは「こう書けば比較的誤解が少ないのではないか? それなりの理屈による裏付けによって正しいと認められるんじゃないか?」という私見によるものでしかありません。別な見解・理屈に基づいた別な書き方が、実は既に慣習的に広まっているのかもしれませんので、ご留意頂ければ。そういった問題もあるので、「正しい譜面の書き方」みたいな本があると、ものすごく助かるんですけどね。
- G# min.
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 |
l | × | t | d | d# | r | r# | m | f | f# | s | s# |
G# | A | A# | B | B# | C# | Cx | D# | E | E# | F# | Fx |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
m2、すなわちb9の処理は、B maj.の場合と同様です。
今回は、ダブル・シャープが出てきてしまいましたね。ポピュラーではほとんど使わず、それこそ異名同音で書き換えられるので、これは慣習に反してしまいますね……。譜面の書き方については、何か別な規則があるんでしょうか? 詳細分かる方、コメントください!
ともかく、五線譜にしてみます。
フラットが5つ付くキー
フラットはBから完全4度間隔で付くので、5つだと B E A D G に付きますね。Gbがファですから、ファ ミ レ ド と4度手前、つまり、フラットの付く順序としては一つ手前のDにフラットが付いたものがキーノートとなり、よってドとなりますね。ラは、ファ ソ ラ と全音2つ上ですから、Bbですね。
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 | |
d | × | r | mb | m | f | f# | s | lb | l | tb | t | |
Db maj. | Db | Ebb | Eb | Fb | F | Gb | G | Ab | Bbb | Bb | Cb | C |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 | ||||
P1 | m2 | M2 | m3 | M3 | P4 | #4/b5 | P5 | #5/m6 | M6/dim7 | m7 | M7 | |
l | × | t | d | d# | r | r# | m | f | f# | s | s# | |
Bb min. | Bb | Cb | C | Db | D | Eb | E | F | Gb | G | Ab | A |
b9 | 9 | #9 | b11 | 11 | #11 | b13 | 13 | #13 |
今回はダブル・フラットが登場しました。やはり、異名同音で書き換える慣習に反してしまいますね。
蛇足・第11倍音の#11に関する疑問
これ、実は疑問があるんですよ。
自然倍音は任意の基音について第1倍音、第2倍音……と考えることが出来る話ですから、「第11倍音が基音から見た#11に当たる」と言うなら、任意の基音についてそうなるんでしょう。
ちなみに、オイラがこの話にまともに触れたのは林の本においてで(『標準 ポピュラーコード理論 改訂新版
上でも述べたように、基音が何であれ、第11倍音は基音から見た#11なんでしょうから、コードの機能が何であろうが#11は存在するはずですが、ドミナント・コードの脈絡でこの話が登場するのであれば、コードのルートはドミナント(メジャー・スケールのソ、マイナー・スケールのミ)から見た#11以外は、スケールに盛り込んではいけないのだろうか?? という疑問が残るんですよね。
上ではトニックから見た#11を調性に適った音と見なして盛り込んでしまったわけですが、果たして良かったのかどうか?
メジャー・スケールに関しては、#11はすなわち#4となりますので、階名で言えばファ#です。これは、ドミナント・キーを示唆するので、結果的には調性に適う音として扱っても問題ありません。問題はマイナー・スケールのトニックから見た#11です。こちらはレ#に当たりますが、これは自然倍音を想定しない限り説明が付かないような気がするのです。
もしかすると、オルタード・スケールの話が絡むのかもしれませんが……
疑問が残りますが、とりあえず今回はここまで。
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COMMENT
HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。
……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!
◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2
※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!
◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2
※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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