忍者ブログ
楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回は、トニック、ドミナント、サブドミナントといった用語を、キーを区別するために用いるキーノート(階名のドに相当する音名)に関する概念として捉え返しました。こうすることで、元のキーから取り出せるメジャー・スケールのドミナント・スケールと、元のキーから取り出せるマイナー・スケールのドミナント・スケールを区別することなく、元のスケールに対するドミナント・キーと捉えることが可能になりました。サブドミナントについても同様です。すると、ドミナント・キーからはファ#を、サブドミナント・キーからはシbを借用出来ることが確認できました。また、同主音階をキー(調)の次元で捉え返すことで、同主音階から借用されうる音を、元のキーから階名で見たらどうなるか? と言うことも確認しました。元のキーから見たf# d# s#は同主長音階から、tb mb lbは同主短音階から借用されるのでした。

もちろん、借用ではなく明確な転調もあり得ますから、次のように整理しましょう。
  • 元のキーに対するドミナント・キーを得るには、元のキーのファにシャーをプ付ける。
  • 元のキーに対するサブドミナント・キーを得るには、元のキーのシにフラットを付ける。
  • 元のキーのラをトニックとする同主長音階を得るには、元のキーのファ ド ソにシャープを付ける。
  • 元のキーのドをトニックとする同主短音階を得るには、元のキーのシ ミ ラにフラットを付ける。 
今回は、「サブドミナント・マイナー」について確認します。

サブドミナント・マイナーが、いわゆる近親調と関係するのかどうか? これはオイラ自身非常に曖昧なのですが、だからこそ今回確認してみたいと思います。オイラが所有している本の中で、それなりに近親調について言及している本はこれだけです。



サブドミナント・マイナーについて林が最初に述べるのは、次のようなことです(p.48)。

 メジャー・キーのⅥ音は、キーにあまり影響を及ぼさずに半音下げる変化が可能です。メジャー・キーのSの中のⅥ音をbⅥ音に変化させた機能をSのマイナー、つまりサブドミナント・マイナーと言うことがあり、SMと略記します。
 
これは、明らかにスケールやキーの話ではなく、機能和声の話なのですが、ともかく見ていきましょう。「メジャー・キー」とは何のことなのかがおいらにはよく分からないのですが、とりあえず「メジャー・スケール」と読み替えておきます。メジャー・スケールにおけるⅥ音とはラのことですから、それが半音下がっても「キーにあまり影響を及ぼさずに」済むというのであれば、オイラは真っ先にハーモニック・メジャー・スケールを思い浮かべます。ハーモニック・メジャー・スケールにおけるサブドミナントからコードを三度堆積させると、コード・ノートはf lb d mとなりますから、コード・クォリティはmM7となります。

ところがこれは、サブドミナント・マイナー・コードではないのです。別な箇所で、林はこう述べるのです(p.62)。
 
 SMはメジャー・キーにおいて同主短調のSを借用したコードと考えます。従って同主短調のSと一致します。

オイラの言い方をすれば、あるキーから取り出される長音階向けのサブドミナント・マイナー・コードとは、このキーのドをトニックとする同主短音階から取り出されるサブドミナント・コード、ということになります。キーで考えると、
  • 元のキーの同主短音階を考える→フラットがシ ミ ラに付く
のですから、元のキーのサブドミナントから三度堆積させる際にこの変化を留意すると、コード・ノートはf lb d mbとなります。コード・クォリティはm7となります。

ともかく、ことさらに「サブドミナント・マイナー」と言い立てなくても、同主短音階からの借用として説明が付きますね。

こうした考察を踏まえると、
  • 変化音は、いわゆる近親調からの借用として説明可能
となります。もちろん、各キーの間の移動に無理がないか? と言う問題は残ってしまいますが、今回考えてみたものだけで、とりあえず平均律の12音全てが埋まります。

  maj. Tonic                 min. Tonic    
Original Key d   r   m f   s   l   t
from P.maj.   d#         f#   s#      
from P.min.       mb         lb   tb  

階名で考えていますので、音名は任意で構いません。キーに適った音であれば(ダイアトニックな音であれば)、ドをトニックとすればメジャー・スケールですし、ラをトニックとすればマイナー・スケールが得られます。

キーに固有な音では埋まらない音については、それぞれ以下のように出所を説明出来るでしょう。
  • ファ#: 同主長音階に含まれ、当然ドミナント・キーからも取り出せます。
  • ソ#: 同主長音階にも含まれますし、ハーモニック・マイナー・スケールからも取り出せます。
  • ド#: 同主長音階に含まれます。
  • シb: 同主短音階に含まれ、当然サブドミナント・キーからも取り出せます。
  • ラb: 同主短音階にも含まれますし、ハーモニック・メジャー・スケールからも取り出せます。
  • ミb: 同主短音階に含まれます。
ド#とミbは、比較的〈近親性〉が希薄な感じもするのですが、オイラが見落としているだけで、何か重要な意味があるのかな??

今から考えてみると、先にこうした話を確認しておけば、ドミナント・コード向けのコード・スケールに現れる各種変化音の出所について、もっとスムーズに確認出来たかもしれませんね。


いわゆる近親調についての確認はこれで終わります。キーとスケールを明確に区別した上で、階名で考えると、スケール毎に近親調を考える必要がなくなる上に、近親調から借用した音が、元のキーにおいてどういう位置づけとなるのかが分かりやすくなります。ナッシュヴィル・ナンバリング・システムだと、トニックはスケールの別に関わらずⅠとなりますから、スケールを包含するキーでまとめて扱うわけにもいきません。

オイラの場合は、たまたま通った小中学校で階名(移動ド)が使われていたため、そちらを使った方が分かりやすかったという事情もあるわけですが、上のように考えるだけでも、階名を用い、長短スケールをキーにまとめてしまう発想のメリットを示すことになるのでは? と言う気がします。


次回から、ドミナント・コード向けのコード・スケールとしての、ディミニッシュ・スケールの話に戻ろうと思います。

→後日追記

やはり、借用について、スケールの観点から整理し直そうと思います。

同種音階からの借用を、改めてスケールの観点から整理し直すことで、各種スケールのハーモニック、メロディックといった変種の特徴と比較してみたいのです。

こういった整理がつくと、たまたま変化音が登場しただけで、基本的にはキーに留まっているのか、転調が見られたとしてもキーからキーへという変化をしている限りにおいて、キーを踏まえた音使いをしているのか、だとしても、どのキーに属しているのかを曖昧にしようとしているのか、などなどについて、判断しやすくなるような気がするのです。
PR
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS secret
TRACKBACK
TB URL
マイクロアドBTパートナーでおこづかいゲット!
HN:
べぇす
性別:
男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
Template by 小龍的徒話
JavaScript by Customize in Ninja Blog
忍者ブログ / [PR]