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楽理一般がメイン、一応。とはいえ書いているヤツは素人ですので、誤解・勘違い・間違いも多いかと思います。色々教えてください!
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こちらのノートです。

前回、ホールズワースが言う「キー」とは、一般的に言われている「キー」とは違うようだ、という話をしました。

このことは、これまで確認してきたコードを捉えるべき脈絡の変更を強いるものです。

今回は、この脈絡を捉え返します。

実は、このノートを始めた当初、既に「おかしいな」とは思っていたのです。ですが、「キー」の概念自体に変更を迫られるとは思っていなかったのです。ノートを書き始めたばかりの時、オイラはこう書きました。

  • ポピュラーの曲は全て、与えられたコード・シンボルがrepresentする調の楽音で成り立っており、コード・シンボルはほとんどの楽譜に和声的伴奏向けに書き込まれている。
representという動詞は「代表する」という意味もあれば「代理する」という意味もあります。変な話、会社の代表は当然〈代表取締役〉の社長ってことになりますが、会社が訴えられた場合は、雇われた弁護士が「代理」することだってあります。

なぜこんな話をするかというと、CM7というコードがあったとき、このコードが示すスケールを一意に特定できないからです。ルートであるCを「ドと読んで 良いのであれば」、Cメジャーを含意するでしょうが、もし「ファと読まなければならない」なら、コード・スケールはCリディアン、よって調としてはKey G(GメジャーないしEマイナー)となります。

そんなわけで、コードが単純にスケールを示すとは、ちょいと言えないかな、と。このため、representがどういう意味合いで使われているのか、イマイチはっきりしないと思います。

つまり、「与えられたコード・シンボルがrepresentする調」との言い回しがおかしいとは思っていたものの、ここからホールズワースが調やキーを特殊な意味合いで使っているとまでは考えず、representを特殊な意味で使っていると考えたわけです。ですが、前回確認したように、むしろ「キー」という概念こそが特殊だったのです。

ここは重要なポイントですので、改めて振り返っておきましょう。

ポピュラーの脈絡で「キー」という場合、事実上スケールと同義です。Key of C maj.とかKey of A min.と言う場合、キーはCメジャー・スケール、Aマイナー・スケールというスケールを意味すると、一般には見なされるからです。

確かにこれで実用上問題ないのですが、オイラに言わせればこの一般的な捉え方は誤解です。「キー」はkey signature(調号)が示すものです。調号を観ただけでは、スケールは確定できません。調号は、互いに平行調である二つのスケールを含意するのであって、ある曲が平行調のいずれのスケールに基づいているかは、実際に曲を分析してみなければ分かりません。ですから、調号key signatureを見ただけではスケールは確定できないのです。では、なにを示しているのか? 階名(移動ド)のドが相当する音名です。

上で、キーについて、Key of C maj.とかKey of A min.との言い方をすると述べましたが、これを文字通りに読めば、「Cメジャー『の』キー」「Aメジャー『の』キー」であって、そういったスケール「が」キーとは言っていないのではないか? ですが、もしこれが移動ドのドが相当する音名を指すのであれば、これら平行調のいずれであっても、ドはCです。つまり、Key of C maj.とかKey of A min.と言う場合、その内実は、Key Cなのです。

おいらは、こういった点について、こちらで学びました。



言葉遣いがクラシック向けなので初めのうちは煩わしいですが、馴染むとポピュラーでは曖昧なままの色んな概念が、極めて理路整然と体系的に理解できます。

ともかく、どちらで捉えるにしても、移動ドのドが相当する音名、あるいはその音をドとするスケール(平行調のいずれか)、このいずれかとして理解されるのがキーですから、曲のコード進行を機能和声(トニックをⅠとした7種のコード)で説明が付く限りは(転調しない限りは)、ずっと一つのキーが曲を支配していると考えます。

ですが、ホールズワースは、リードシートのコード・シンボルがキーを示すと言うのですから、キーを示すのは調号ではなく、随時変わるコードだと捉えているわけです。ここから、ホールズワースはむしろ「コードが変わる度に転調している」と捉えているのではないか? とさえ考えられます。

こう考えると、FM7というコードがある場合、恐らく一般には「Cメジャー・スケールにおけるFリディアンが含意されているのか、Fメジャー・スケールにおけるFイオニアンが含意されているのか??」と言う形で問題にされるのに対して、ホールズワースはすかさず「Fメジャー・スケール」と断定してしまうように思われます。

ここから、
  • リードシートのメロディ
  • 当のメロディに指定されているコード・シンボルの基本的なコード・クォリティ
に着目し、メロディがコードのルートから数えて何度なのか(よってスケール・ノートなのか、変化音なのか)も踏まえつつ、メジャー・コードならメジャー・トライアドを極力盛り込み、そこにメロディをリーディング・ノート、トップ・ノートとして付加する形で、コード・シェイプを考えるのではないか? と思われます。

すると、コード・シンボルにCM7とあろうが、ともかくここから「少なくともCメジャー・トライアドを極力盛り込む」という方針だけを取り出し、その箇所におけるメロディが仮にEなら、リーディング・ノートにE、すなわちCから見たM3を据えることになります。ですから、コードの指定通りにCM7をプレイするのではなく、トップ・ノートがEの、Cメジャー・トライアドの転回形、あるいはもっと低い位置にM7のB、ひょっとするとCメジャー・スケールに適う別な音を盛り込んだコードをプレイすることになるでしょう。

この意味で、ホールズワース的には、指定されたコードをそのままプレイするとは限らないのではないか? と思われます。

すると、ホールズワースが、名称としてはテンション・コードを示しても、中間のm7や9が含まれない、むしろ「add」系のコード・シェイプを示しているのも理解できます。これまで見た例であれば、ホールズワースはコード・ネームからとりあえずルートがGのメジャー・スケールを想定し、メロディをそのスケール・ノートとしては何度になるかを考え、基本的にはGメジャー・トライアドにリーディング・ノートを付加しただけだったからです。

だからこそ、前回の箇所で、同様の作業を、マイナー・スケールなど他のスケールでも行うことになるとしていたわけです。

ホールズワース、やはり独特です。

今回はここまで。
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べぇす
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男性
趣味:
音楽(素人レベル)
自己紹介:
一応趣味でベースを弾く。

……けど、だれだっていいじゃん、オイラなんか!


◎音楽関係のプロフィール
・ベース歴: 15年以上
・譜面の読み書き: 不自由
・初見演奏: 無理
・利用譜面エディタ: Allegro 2007→Finale 2010
・利用DTMソフト: Music Creator 2

※楽理関係を扱ったことを書いていますが、上記のように音楽については素人です。書かれている内容を鵜呑みにされないよう、ご注意ください。
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